――女性活躍を進めるメリットはどんなところにあると感じていますか。

吉田:当社はBtoBのビジネス。一般的なBtoCのアプリケーションであればユーザーの半分は女性ですから、ユーザーエクスペリエンスの面で女性視点は必要だよねと言えますが、当社の場合はどうしてもそういうドライブがかかりづらい。女性を活用することでどう社内を活性化していくかという部分がメインになるのかなと思っています。

 ただ、私は新卒入社の女性の割合が上がってきたことについては一つの背景があると思っています。社会全体で女性活躍と言ってはいますが、重厚長大な日本企業ではまだまだ体質変化は起きていません。そうしたなかで、優秀な女性は日本企業であれば中小やスタートアップ、あるいは外資に行くという流れになっている。私が今まで勤めた外資でも、女性の方が圧倒的に優秀でした。

 男性はまだまだ看板の大きい会社を志向している一方で、女性たちはそうしたところを選択肢に入れていない。であるならば、僕たちは女子学生の受け皿になる方が、ビジネス的にもメリットがあるわけです。

 即戦力となる営業やエンジニアの女性を採用するのは難しいので、新卒のなかで優秀な女性を取り込み、きちんと育成する。数年たった時に、役職につけて新しいことに挑戦する流れはできているので、ロールモデルとして採用の場面でもうまく登場させることで、よりその流れが強化できる気がしています。

麓 幸子(ふもと・さちこ) 日経BP社 執行役員
麓 幸子

1984年筑波大学卒業。同年日経BP社入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。日経ウーマン、日経ヘルスなど3媒体の発行人となる。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。2014年法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府、林野庁、経団連・21世紀政策研究所研究委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書等に『女性活躍の教科書』『なぜ、あの会社は女性管理職が順調に増えているのか』(日経BP社)、『企業力を高める―女性の活躍推進と働き方改革』(共著、経団連出版)、『就活生の親が今、知っておくべきこと』(日本経済新聞出版社)などがある。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。