味の素冷凍食品は2017年11月、働き方改革をより加速して推進させるために「働き方改革」推進室を立ち上げた。「スーパーフレックスタイム」や「どこでもオフィス」といった環境づくりを進めるなか、社員全員の「個別の業務解析」を行うことの重要性を推進室長 浅井政彦氏は力説する。
(取材=麓幸子:日経BP社 執行役員、文=船木麻里)

数カ月かけて、930人全社員の個別の業務解析を行う

――今、なぜ働き方改革に注力されているのか、その背景から教えていただけますか?

浅井推進室長(以下、浅井):当社は冷凍食品事業を通して「人と社会のしあわせづくりに貢献する」ことを企業理念とし、4つの具体的な経営ビジョンを掲げております。そのひとつ「働く人にとっていい会社になる」というのが今回の働き方改革につながっています。2011年からこの経営ビジョンのもとに改革を進めてきました。

 同時に親会社(味の素)がまさに働き方改革を先行して推進しており、2008年から「ワークライフバランス向上プロジェクト」を進めております。ですからグループとして働き方改革でも親会社に追いつこうという形です。

――具体的にはどのような施策を導入したのでしょうか?

浅井:まずは「現状の働き方を今一度見直す」ことを目的に、ここ数カ月間かけて全社員930人の働き方のレビューをしようと、業務解析を始めました。過去1年間にさかのぼって、それぞれの業務を一つ一つ項目出しをして、現在の年間2000時間強という労働時間をどう働いたのか、洗い出すということですね。そして上司と「どこに課題があるのか」「どこに生産性を上げるためのキーワードがあるのか」といったレビューも行います。

――業務の項目とは、例えばどのようなものでしょうか?

浅井:どの部署も同じですが、できるだけ細かく「どの業務にどれだけ時間を使っているか」をクリアにするんです。もちろん「考える時間」や「移動時間」も含めます。エクセルで作ったオリジナルのフォーマットを使って上司がまず業務の項目出しをして、それを部下が見ながら、「この業務にかかった時間はこのくらいだった」とレビューするのです。

 かなりの作業になりますが、単なる時短化に終わってはいけません。「生産性の向上を伴うチャンスがどこにあるか」を見い出すことが最優先。それにはやはり現状を知ることが大事です。

――そういった作業は、これまで実施していなかったのですか?

浅井:ええ、全社的にやるのは初めてでしょう。この作業を18年3月までに終えて、18年度以降は一人ひとりの総実労働時間目標を設定して、最終的に2020年度の終わりには年間1900時間を実現できるよう労働時間を削減していきます。3年間で達成しようという計画です。もちろん生産性が大切なので、重要な財務指標である売り上げや事業利益も同時に達成するための指標もそれぞれの部署に出してもらいます。4月からは各組織が時間生産性向上のKPIと総実労働時間目標を持つことになります。