自分の思考パターンを把握してコントロールする

 自分が複雑思考であることを自覚できているのなら思考のコントロールはさほど難しいものではありません。まずやっていただきたいのは、「自分がどんな場面に遭遇すると複雑思考に陥りやすいか」を紙に書き出して欲しいのです。人にこんなことを言われたら心が動いて、こんな風に考えはじめる…という一連の動きをメモします。

 たとえば、「総務部の○○さんとランチに行くと愚痴っぽくなる。共感できる部分もあるのだけど気持ちが沈んでしまって午後からのパフォーマンスも悪くなる」といった感じです。自分の行動パターンを知れば、似たようなシチュエーションに遭遇したときに、「今複雑思考の回路に入りかけている」と察知し回避できるようになります。

 私たちは感情で動く生き物ですから、気持ちが下がったりカチンとくることがあると、そこから一気にマイナス検索を巡らせてしまいます。「さっき彼女が言ったのはどういう意味なんだろう。自分のことを棚に上げてなんて失礼だなあ。だいたい彼女の仕事ぶりといったら…」なんてグルグルそればかり。こうなるとなかなか抜け出せなくなりますから、あらかじめ機械的な分析をしておくのです。メモを通して自分を客観視できていれば、自分の「地雷」を把握することができます。そこを避けてじょうずに歩けるようになります。自分とちゃんと向き合っている人は、必ず幸せになれます。

 それともう一つ。売れる営業は「感情移入」が豊かです。感情移入とは、ディズニーランドでミッキーの耳をつけて無邪気になれる能力のこと。子どもと一緒に泥だらけになってはしゃげる人もそうです。これがないと表現が乏しく楽しくないので、人をわくわくさせることができません。

 エネルギーがなくて表情がない人は陰気な感じがするので「売れてない営業」という印象を持たせます。こういう人は、感情を動かすことからはじめます。たくさん映画をみたり小説を読むのもそうですが、まずは相手の心境になってみること。一緒になって楽しむことです。

 感情移入が豊かな人は、人の話も面白がって聞くので、聞き上手でもあります。自分に興味津々で食いついてくる相手には「ついつい話しすぎてしまったな」となりませんか? 語り手を饒舌にしてくれるんですよね。

商品の欠点を堂々と愛して、魅力や個性に変える

 成長できるかどうかは、すなわち物事をどう捉えるかだと思います。すべては物事のよい側面を見る陽転思考に通じていて「事実はひとつ、考え方はふたつ」ということ。お客様からクレームの電話が入ったときに、「ミスしてしまった!」とただ落ち込んでしまうのか、「お客様がすぐに電話してくださったことで、早期発見できた。ほかのお客様へのフォローもできるな」と「よかった探し」ができるかで行動は変わります。

 商品の欠点をどう捉えるかも重要です。会社もサービスも、100%完璧なものはありませんよね? どんな会社も、競合他者と比べるともっとこうだったら売れるのに…と思うなんらかの欠点があるかもしれません。

 けれど、営業が、「うちの商品はダメだ」とか、「こんな欠点だらけで売れるはずがない」と思っていたらどうでしょうか。劣っているところばかりをネガティブに捉えて気にしている人が成長できるでしょうか。