和田 裕美
作家・営業コンサルタント

 この連載では3回に渡って売れる営業になるための秘訣をお教えします。営業の現場の方はもちろん、営業担当者を育成する立場の方にもきっとお役に立つ内容です。

 私は25歳だった営業時代、外資系教育会社でプレゼンしたお客様の98%から契約をもらうという「ファン作り」営業スタイルを構築し、オリジナルの営業手法によって日本でトップ、世界142カ国中2位の成績を収めました。マネージメントをしたいと思ってなかったのにもかかわらず、どんどん部下を持たされるようになってしまいました。

 しかし、ノウハウややり方を教えてもなかなか同じようにはいきなせん。私のいた会社はフルコミッション(完全歩合)の厳しい世界で、100人入社しても一人も残らないということがざらにあったのです。

 私には人を育てた経験もなく、どうしたらいいのかわからないまま、辞めていく人を情けなく見送っていました。しかし、せっかく自分を磨いて稼げる場所にいるのに、ちょっとやってみただけで「向いてない烙印」を自分で押してしまうのはもったいない限りです。

 何十人と見送ってほとほとマネージメントに自信がなくなったときに、ふと「そもそも私自身が、まったく営業に向かないと言われ続けたのに奇跡の結果を残せたのだから、もっとできないのか?私があきらめて指をくわえて見ていていいのか?」と、ようやく奮起したのでした。

ポジティブに考えれば、売れるようになる

 その頃から私は「なぜ、私が世界2位になれたのか?もっとがんばっている人もいるにもかかわらず…」という問いを、改めて自分に問うようにしました。

 そして、どんなふうに「考え方が変わったのか?」、どんなふうに「クロージングの工夫したのか?」、どんなふうに「紹介を増やしてファンを作ったのか?」を分析して伝えるようになったのです。

 たとえば、料理をなんとなく上手に味付けできる人は、調味料も目分量なので「同じことを人にさせることができない」のです。同じように、仕事でもなんとなく上手くやっていることは、それを伝える段階になるまでは明確な言葉として「レシピ」になってないことが多々あるのです。

 私自身が売れるようになったのは、そもそもの考え方が変わったからです。物事のよい側面を見る癖を持つこと、つまりは今までの思考癖を変えることからでした。そこに気付いてからは、私は新人営業が入社してくると、「陽転思考」という考え方を初日に伝えるようにしていました。

 例えば、その人の「考え方」がネガティブな傾向にあると、何を教えても「難しいです」という反応になりがちで、どんな挑戦の機会を与えても「私なんかが…」と、消極的になってしまいます。そんな思考癖を持っていれば、才能や知識がどれほどあってもすべての行動がマイナスになってしまい、まったく生産性の上がらない社員になってしまうのです。

 それに、一緒に働く人はできれば楽しい人であって欲しいと思いませんか?愚痴と悪口ばかりの人と一緒に働きたくはないですよね?だからこそ、私は嫌なことがあっても悲しいことがあっても、前向きに切り替えることができる「陽転思考」を徹底的に伝えたわけです。