未来志向

 これまでの評価面談では、年次評価の結果とその根拠の話し合いに大半の時間がとられていました。そのほとんどが過去についての話し合いです。評価面談が年次評価をフィードバックする場として位置づけられているため、過去の話が中心になるのは仕方がありませんが、上司も部下もあまり前向きにはなれず、面談をしてもパフォーマンス向上への意欲が高まることがほとんどなかったといっても過言ではないでしょう。

 もちろん、過去の振り返りが不要というわけではありませんが、本人が自分自身で気づかなければ経験学習に活かされません。そのためには、リアルタイムで頻繁にフィードバックを行う方がはるかに有意義です。そのうえで、上司と部下の対話は、より未来志向で建設的な内容に費やされる必要があります。

 未来志向の対話のテーマには、優先度の高い目標は何か、顧客に対してどのようなインパクトを提供したいか、将来的にどのようなキャリアビジョンを目指したいのかといったことが含まれます。そして、それらの目標を達成するための上司からの支援が検討されます。未来志向で話し合うことによって、パフォーマンス向上のためのチャレンジを促すことが可能になるのです。

個人起点

 これまでのパフォーマンスマネジメントには、会社の戦略や事業計画を組織に浸透させるという狙いもありました。戦略や事業計画の浸透が重要であることはいうまでもありませんが、全社の年度目標を個人にまでブレークダウンしたからといって、全体の目標が実現されるというわけではありません。上述のように、現場の仕事はより短サイクルで変化しているため、期初の個人目標と業務における実際の優先度の間には、すぐにかい離が生じてしまうからです。

 新たなパフォーマンスマネジメントでは、個人の主体性や自律性が重視されます。めまぐるしく変化する環境のもとでは、中央集権的な組織運営よりも現場における機敏な対応が求められているからです。パフォーマンスマネジメントを変える目的には、そのような組織風土変革の狙いも含まれています。

 リアルタイムで目標設定を行うためには、おのずと個人起点で目標を考えることが求められます。その際に、全社の戦略や部門の目標を念頭に置くことは当然ですが、上から目標が下りてくるのを待っている姿勢から脱却し、一人ひとりが自分で考えることが求められるのです。