以上、通信研修を使っている企業の割合、必須受講と自己啓発受講それぞれでの用いる目的、テーマ、想定する対象などについてお伝えしてきました。

 通信教育を用いたことがある企業は回答全体の7割を超えており、企業・団体における人材育成ツールとしては比較的広く用いられていることや、自己啓発受講では組織がメンバーに学びを広く提供したり学習する風土を醸成したりするために用いられていること、必須受講では昇進・昇格などの個々人の節目や時代や組織の要請という大きな意味での節目における学習で用いられることなどが見えてきました。

 同じ通信教育という学習手段を用いていても、自己啓発受講と必須受講では、その利用目的は異なります。目的が異なれば、通信教育という学習手段が同じでも果たす機能は大きく変わります。そのため、目的に応じた効果的な活用方法を検討すること、よりよい活用方法を追求し続けることは、目的をより確実に実現するためにも重要です。

 そこで次回は、特に自己啓発に焦点を当て、通信教育の使われ方についての回答を中心にお伝えしたいと思います。

末廣 純子(すえひろ・じゅんこ) 学校法人産業能率大学総合研究所 マーケティングセンター プロジェクトリーダー
末廣 純子 早稲田大学第一文学部卒、早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修了。臨床心理士。認知発達療法の心理相談員および児童相談所の心理相談員を経て、2000年4月学校法人産業能率大学総合研究所に入職。研究スタッフとして人材育成に関する各種調査・分析、マーケティング、プロモーション等を手がける。2009年4月より現職。携わった主な調査・報告は「日本企業の人材戦略と成果主義の行方」調査、「我が国ITサービス市場に関するスキル動向等調査研究報告書」、「企業・団体内教育における通信教育の活用実態」調査など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。