<1 on 1®の進め方(60分)>
1 on 1®の進め方
1 on 1®の進め方
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 1 on 1では受講者が実務適用の結果、経過を中心に話すことになるが、実務で直面している問題があればその場で上司と相談し、対応を決定する。そして、決定事項をToDoシートに忘れず記入させ、公式のToDoリストとするのである。このToDoシートを上司の上司(=部長)が楽しみに待っているのだ。

【1 on 1®での上司の役割】

 上司は1 on 1の目的、プロセス、上司の役割について何も知らされていなければ、部下の付き添いのような意識で登場することになる。会議室にいて部下である受講者を見届ければよいのだろうという意識だ。そのような後ろ向きの意識にさせないよう、上司とはあらかじめ個別に面談を行い、1 on 1での本人の役割をしっかり伝える。これにより、上司の参画を引き出すことができるのだ。

 1 on 1のアウトプットは次の1 on 1へのToDoリストを明確にすることであり、上司にはそのToDoを実施するうえでどのような支援を行うのかの内容とコミットメントを求める。また、部下である受講者が次へのToDoリストを導けない場合は当然ながら助け舟を出す。それが上司の役割だ。実は上司の変化を狙っている企業は多いのである。育成のための行動が1 on 1の中で話し合われるのだ。上司にとっての気づきも多い。

【1 on 1®での講師の役割】

 講師は触媒である。解決策のアドバイスは基本的にはしない。上司がその場にいるのであり、解決策は上司と相談させる。講師はあくまでも研修での学びを実践させる過程での不具合についてフィードバックする。フィードバックとは肯定的なものと建設的なものからなる。従って、講師にはコーチングとフィードバックのスキルが特に求められる。

 私が年に2回実施している研修講師養成講座においても、フィードバックのスキル獲得を特に重視しているのはこのためである。改善を求める建設的なフィードバックの対象は、主に具体性、時間軸、優先順位、人の巻き込みの観点についてである。

 受講者はこれら4つの観点への意識を持っているようだが、意識できていないことが多い。また、実務の中で上司や同僚からのフィードバックもそれほど受けてはいない。外部講師であるからこそ“ガツン”と指摘できるのだ。そうすれば受講者の意識と行動は確実に変わってくる。受講者がフィードバックされる経験を通じて学びを受け取る瞬間である。