2. 中途入社組とプロパー社員との、意識とスキルのギャップ

 プロパー社員が顧客企業から受け入れられにくくなっている。ビジネス環境が急速に変化するなかで、顧客は問題を早期に発見し解決のための提案を求めるが、顧客に言われたことを効率よく進めることが得意なプロパー社員は、仮説設定と検証の速いサイクルを回し解決策を見いだすスキルを身に付けてはいない。つまり、仕事が遅いのだ。顧客は仮説に基づいた、問題解決への素早い提案を求めている。そのような能力を有する企業と強力なパートナーシップを結びたいと考えているのだ。

 他社で速いサイクルで仕事を回した経験者が中途採用されたとなれば、顧客から見たら、新しく来た人の方が有能に映る。そこに中途入社組とプロパー社員のギャップを感じ取るのである。顧客はそのことにものを言い始めた。

 企業は中途採用を考える時、外部の血を入れて仕事の速さに対する意識を根本から変えてほしいと考える。しかし、中途組とプロパー社員はなかなか折り合いがつかないのが常だ。私たちはこのような困難な状況の解決を求められて仕事をすることが多い。プロパー社員の話を個別によく聴き取り、スキルギャップを明確にし、どうすればよいかを上司を交え一緒に考え、支援する育成を期待されるのだ。特に仮説設定~検証のスキル強化と意識の変革に。

3. 営業的な動きを求められることに戸惑いを感じている技術者・エンジニア

 弊社は技術者・エンジニアへの研修を数多く受託している。そのなかでマネジメント系と並んで特に多いのが「営業力強化」、「提案力強化」という名称での研修である。

 具体的なテーマはプレゼンテーション力、コンサルティング力、関係構築力、ニーズ把握力、反論への対応力、ビジネスマインド醸成など。顧客がビジネスの提案段階から、営業担当者ではなく実際に担当する技術者を指名し、その人から提案を受けたいと求めるためにこの種の研修は増えた。

 顧客企業は、提案側の営業担当者は発注したら現れなくなることを知っている。だから初めから最後までずっと来てくれる技術者やエンジニアから話を聴きたいのである。一方で技術者は技術の話や説明は得意だが、プレセールス担当の技術者であっても相手の行動を促すようなプレゼンテーションは不得手であることが多い。それもそうであろう。もともと技術開発に関心が高かったことに加え、人の前ではなく、PCの前に座っていたいので技術職を志した人が多いとも聞く。

 想定もしていなかった環境の変化に戸惑いを感じる技術者は実は多い。ある企業では技術者向けのプレゼンテーション研修において、営業部長が同席し、はっぱをかけているシーンをよく目にする。技術者の営業力強化という流れは止められない育成課題としてますます顕在化するニーズとなるであろう。

 技術者が担当する業務は専門性が高く、顧客の特性も個別に大きく異なる。顧客との関係を強固にし、ビジネスを獲得するためにも、選抜された技術者に対して、問題解決提案の練磨からプレゼンテーションでの関係構築までの個別支援を含めた研修を実施したい、と考える企業は多いのである。

 技術者は数が多い。上司も個々の育成に時間をかけられず、研修を利用して育成を図るモードになっているケースが多い。貴社においてはどうであろうか。