中小企業を受けていない理由は「給与・待遇がよくない」が最多

 中小企業を受けていない学生にも、その理由を尋ねました。「給与待遇がよくない」(41.8%)、「安定性に欠ける」(40.9%)、「知名度が低い」(39.0%)がいずれも4割程度と高く、条件面での懸念が中心であることが分かります。こうしたイメージは、個別の企業を調べたうえでの判断ではなく、「漠然とした中小企業のイメージ」として持っている学生も少なくありません。「調べてみると、中小企業でも福利厚生は意外にしっかりしていることが分かった」などという学生もいます。

 一方で、「調べようにも、ホームページを見ても、知りたい情報が載っていない」、「安定性やその企業独自の強みなどをもっと知りたかった。総じて不安を感じる企業が多かった」などの声も多く上がっています。仕事内容や社風、待遇などの情報をしっかり発信することが、選考参加を促すうえで欠かせない施策といえます。

中小企業を受けていない理由
中小企業を受けていない理由
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 選考に進んだ学生のなかでも、「人事の方が非常に親身になってくれ、毎回フィードバックをもえらたことはありがたかったが、インターネットなどで企業研究したくても、公開されている情報量が少なく、内定後や入社後の自分を想像することができなかったため、志望度を上げることはできなかった」と、内定承諾につながらなかったケースも見られました。

 また、中小企業を受けていない理由が「特にない」という学生が16.4%と多いのが目立ちます。短い採用広報期間に、大手志向の学生が中小企業まで見る時間的余裕がなかったと推測されます。

 近年では、学生の業界研究・企業研究の時期が早まっており、インターンシップなどで関心を持った企業に絞って就職活動をする学生が増えています。そうした動き出しの早い学生の目に留まるためは、早期からしっかりと情報発信をすることが重要だといえるでしょう。

■調査概要
調査名:キャリタス就活2018 学生モニター調査結果(2017年10月発行)
調査対象:2018年3月に卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)
回答者数:1,225人(文系男子408人、文系女子350人、理系男子305人、理系女子162人)
調査方法:インターネット調査法
調査期間:2017年10月2日~10日
サンプリング:キャリタス就活2018 学生モニター(2016年卒以前は「日経就職ナビ・就職活動モニター」)
松本 あゆみ(まつもと あゆみ) 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ 研究員
松本 あゆみ

ディスコ キャリタスリサーチでは、新卒採用マーケットを中心に就職・採用に関する調査・分析を実施。「キャリタス就活」の会員から「就職活動モニター」を組成し、学生の就職活動状況や内定率、志向などを定期的に調査するほか、新卒採用を行う企業を対象とした調査も実施、採用計画や充足率など採用活動状況などの分析を行っている。
筆者は、株式会社ディスコ入社後、採用アウトソーシング、就職情報サイトの学生向けプロモーション、採用コンサルティング部門などを経て、2015年より現職。

●株式会社ディスコ キャリタスリサーチのサイト
http://www.disc.co.jp/career_research/

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。