また「持ち駒が減ってきており、納得のいく企業に内定をもらえるか不安」という学生も多く、持ち駒を増やすために、新たにエントリーする企業を探す動きも見られます。なかには「志望業界の企業は全滅してしまったので、業界を変えて一からやりなおす」という学生も。

 採用活動を継続する企業にとっては、新たな学生に接触しやすくなる時期といえるでしょう。

未内定者が内定を得る見通し
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内定承諾を後押しするフォローとは

 ここ数年、企業の採用意欲の高まりを受け、内定辞退は増加傾向にあり、多くの企業は辞退防止策を強化しています。

 内定取得学生に、これまで内定企業から受けたフォローやアプローチについて尋ねたところ、すでに8割以上の学生がなんらかのフォローを受けていることが分かりました(80.7%)。早期に内定を出した企業が、つなぎ止めのために、早くも様々な施策を行っているようです。

 実際にあったフォローとしては「食事会などの懇親会」が6割を超えて最も多く(62.9%)、「人事担当者との面談」(40.8%)が続きます。「5月下旬に内定者合宿が2日間の泊まりがけで開催された(サービス内定)」「6月3日に研修・懇親会で丸一日拘束があった(金融内定)」。

 一方で、内定を得た企業に就職するかどうかを決めるためにフォローが必要かどうか尋ねたところ、「必要ない」と回答した学生は2割にとどまり(20.3%)、大半の学生は、内定承諾という大きな決断をするためには、なんらかのフォローが必要と感じています。内定承諾の後にフォローを行う企業は少なくないですが、内定承諾を得るためのフォローも重要だといえます。

 就職先決定のために具体的に必要だと思うフォローについては、「食事会などの懇親会」(46.7%)、「現場社員との面談」(44.7%)、「人事担当者との面談」(42.5%)が僅差で続き、分散傾向にあることから、学生によって就職決定に必要とするフォローは一様ではないことが分かります。

 実際に「第1志望の企業より、第2志望の企業の方が、これまでの接点が多かったので、具体的に仕事内容や社内の雰囲気がイメージできる。一番行きたいのはもちろん第1志望の企業だが、仕事内容がイメージしにくい業界なので、もう少し理解を深められると迷いなく決断できると思う」という学生もいました。

 なかでも「現場社員との面談」「社内や施設などの見学会」に関しては、実際に受けた学生に比べ、希望する学生が多く、これらの施策をできるだけ早い段階で実施することがスムーズな内定承諾につながるといえるでしょう。

内定企業からのフォローやアプローチ
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■調査概要
調査名:キャリタス就活2018 学生モニター 「6月1日時点の就職活動調査」
調査対象:2018年3月に卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)
回答者数:1,259人(文系男子421人、文系女子350人、理系男子325人、理系女子163人)
調査方法:インターネット調査法
調査期間:2017年6月1日~5日
サンプリング:キャリタス就活2018学生モニター(2016年卒以前は「日経就職ナビ・就職活動モニター」)
松本 あゆみ(まつもと あゆみ) 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ 研究員
松本 あゆみ

ディスコ キャリタスリサーチでは、新卒採用マーケットを中心に就職・採用に関する調査・分析を実施。「キャリタス就活」の会員から「就職活動モニター」を組成し、学生の就職活動状況や内定率、志向などを定期的に調査するほか、新卒採用を行う企業を対象とした調査も実施、採用計画や充足率など採用活動状況などの分析を行っている。
筆者は、株式会社ディスコ入社後、採用アウトソーシング、就職情報サイトの学生向けプロモーション、採用コンサルティング部門などを経て、2015年より現職。

●株式会社ディスコ キャリタスリサーチのサイト
http://www.disc.co.jp/career_research/

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。