ポイント2:ボス・マネジメント(志の高いゴマスリ訓練)

 マネジャーの立ち位置は、時代や環境要因がどう変化しようとも、上下左右の「板ばさみ」状態となることが多々あります。そこで多方面へ影響力を発揮することで「板ばさみ」状態を解消する必要があります。特に、ボス(直属上司)への影響力は大変重要となります。

 マネジャー行動は、使命を基準にすえ、周囲の動向を踏まえてタイミングを捉えること、周囲の期待に応え信頼の蓄積をベースにすることが重要です。

 特に今後、現場・職場では、権限関係が複雑で重層的なボスの存在が想定さます。

 ポイント2では、それらの状態に有用な理論、モデルをご提示します。

①信頼蓄積理論
 社会心理学者E.P.ホランダーが信頼蓄積理論という考え方を提唱しました。これは、リーダーシップが生じる過程を将来リーダーになるかもしれない潜在的リーダーと、他メンバーとの間のダイナミックな相互期待の形成過程の中に捉えた理論です。

 例えば、新人のころは指示された仕事をきっちりこなし、上司に信頼されるようになります。(つまり信頼の積立貯金)やがてリーダーになったら、その貯金を単に解約し使うだけではなく、利子や新たなへそくりを組み合わせて発揮し、集団を変革していくことによって、新たな信頼を勝ち取っていくという考えです(図2)。

 つまり、マネジメント経験が乏しくとも、今までの業務遂行力や問題解決力を応用し、多様な部下をやりくりし、集団を変革していくことによってボスの信頼を勝ち取れるという理屈になります。しかし、この信頼蓄積理論を活用するには、タイミングと勇気が肝要です。

 訓練方法としては、ポイント1同様、現場での仮説/実践/検証が一番ですが、まずは、書を読み、理を斟酌し、専門機関のコーチング訓練や個別指導を仰ぎ、タイミングと勇気を体得することを推奨します。

図2 信頼蓄積理論