豊田 貞光
産業能率大学 総合研究所 経営管理研究所 マネジメント研究センター長 主席研究員

 前回のまとめで導き出された「生産年齢人口減少時代におけるマネジャー育成」上の課題は、
1)マネジメントの未来予測(2010~2060年):経済成長体験が希薄だった人材が、未曾有の生産年齢人口急減・高齢人口増大していく中、働き手の意識変革の先頭に立ち、グローバル競争に打ち勝ち、成長戦略実現のためマネジメントを革新し、組織運営する構図が待ち構えている
2)経済成長体験が希薄だった人材が、どのような組織観・人間観を持ち、どのようにマネジメントを革新していくか、またはどのような組織文化を形成していくか探索することは極めて重要
3)日本企業が得意としていた阿吽の呼吸(暗黙的知識を形式知化するノウハウ)で業務を遂行し、集団の凝集性を高め、ミドルアップダウン方式によるマネジメントスタイルを維持できる人材の蓄積が枯渇してしまい、今後はさらに雲散霧消することが見えてきた

 以上3点でした。今回は、これらの課題を解決するヒントを提示してまいります。

3章 生産年齢人口減少時代におけるマネジャー育成のポイントとは

前提の視座(2015〜2025年予測)

 リクルートワークス研究所「2025年 働くを再発明する時代がやってくる」の調査結果によれば、2015年では就業者6,274万人、就業率58.1%、新規入職者109万人、引退者97万人、離職者203万人、中途参入者221万人。無職者は4,525万人。これに対し、2025年予測は、就業者6,091万人、就業率56.7%、新規入職者88万人、引退者105万人、離職者193万人、中途参入者216万人。無職者は4,651万人。

 このデータで我々が着目したのは、下線部、入りと出の差分逆転(2015年は+12万人に対し、2025年は-17万人)です。これらを職場マネジメントに具体的に当てはめてみると、2015年~2025年のマネジャーは、新入社員の部下を持つ可能性より引退者(再雇用者)を部下に持つ可能性が高いということです。

 このシミュレーションは、外乱変数を一定のものとし、入職、引退(再雇用)100%前提というかなり乱暴な計算ではありますが、誤解を恐れずあえて提示すると、この時代のマネジャーの原風景としては、「部下は新人より再雇用者が多い」という現実が想定されます。

 つまり、今後10年をシミュレーションすると、マネジャー育成前提の視座として、彼らに対し、希薄だった経済成長体験をカバーするだけの十分な職場マネジメントに関する知識のシャワーを降り注ぐこと。また、再雇用者や年配社員への指揮、配慮訓練を施すことが必須であると考えられます。

 以上のことを鑑み、生産年齢人口減少時代におけるマネジャー育成の3つポイントを提示いたします。

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