小括

 第1章と2章をまとめますと次の3つの課題が浮き彫りになってきます。

1)マネジメントの未来予測(2010~2060年):経済成長体験が希薄だった人材が、未曾有の生産年齢人口急減・高齢人口増大していく中、働き手の意識変革の先頭に立ち、グローバル競争に打ち勝ち、成長戦略実現のためマネジメントを革新し、組織運営する構図が待ち構えている

2)経済成長体験が希薄だった人材が、どのような組織観・人間観を持ち、どのようにマネジメントを革新していくか、またはどのような組織文化を形成していくか探索することは極めて重要

3)日本企業が得意としていた阿吽の呼吸(暗黙的知識を形式知化するノウハウ)で業務を遂行し、集団の凝集性を高め、ミドルアップダウン方式によるマネジメントスタイルを維持できる人材の蓄積が枯渇してしまい、今後はさらに雲散霧消することが見えてきた

 次章では、これらの課題を解決するヒントを提示してまいります。

参考文献

Drucker P. F. 訳者上田惇生 (2001),『マネジメント【エッセンシャル版】』ダイヤモンド社.
Drucker P. F.訳者上田惇生 (2000),『プロフェッショナルの条件』ダイヤモンド社.
金井壽宏(1999),『経営組織』日経文庫.
飯野春樹編著(1979),『バーナード 経営者の役割』有斐閣
クーゼス=ポスナー(1978),『信頼のリーダーシップ―こうすれば人は動く』
Pelz,D.C(1956),Some social factors related to performance in a research organization.Administrative Science Quarterly.
豊田貞光(2013),『リセット力で今からの脱出』産業能率大学出版部
豊田 貞光(とよだ・さだみつ) 産業能率大学 総合研究所 経営管理研究所 マネジメント研究センター長 主席研究員
豊田 貞光 民間企業を経て1989年学校法人産業能率大学に入職。2009年北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科修了 博士(知識科学)。現在、経営管理研究所主席研究員、産業能率大学 情報マネジメント学部 兼任教員(通信教育課程)。
主に成長戦略実現のための事業変革指導、業績V字回復指導、人中心のICT構築・運用指導等を実践。また、マネジメント研修、リーダーシップワークショップ等に関わる。
著書に、「『リセット力』で今からの脱出」(産業能率大学出版部)、記事に、「先取りグローバルスキル」,日経CAREEERマガジン,Vol.1,2012. 論文に「ブリッジSE知識創造の場と支援プログラムの実証研究」,日本創造学会論文誌,第11号2007.論文賞受賞などがある。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。