ロゴ入りのTシャツや帽子は、日本の制服とは違って着用が義務づけられているものではなかったが、チームのユニフォームのような感じで、工場の主要メンバーはいつも着ていた。

私だけでなく、西海岸カーゴ社の社長やスタッフたちも、私が怒られに行くのだろうと思っていたから、ロゴ入りのユニフォーム一式を持って帰ってきた時にはかなり驚いていた。
数年間一緒に仕事をしてきた西海岸カーゴ社の社長や主要スタッフでさえ、これまでにもらえたのは帽子程度で、セット一式をもらえたのは私が初めてだった。しかも一緒に仕事を始めてたった1週間で。

勝手に業務改善など始めてしまっていいものかと少し不安だった私にとって、このプレゼントは感激ものだった。
ただの業務委託先のスタッフではなく、“チーム”の一員だと認めてもらえたのは本当に嬉しかった。

女性同士ということもあって、私と統括マネージャーはすぐ意気投合した。
今回、私が西海岸カーゴ社から業務改善の依頼を受けてきたこと、3つの条件を出したのに何もそろってないこと、今年やろうと思っていたことなどを2013年の体験や報告も含めて、一気に話をした。

幸い、大凶作だったので、シーズンのスタート時期はラインの稼働がまだゆっくりで統括マネージャーも時間をとれたし、西海岸カーゴ社の社長も工場にいなかったので直接話をすることができた。ここに社長がいたら、社長を飛び越えて工場側と直接交渉をすることはなかなかできない。 逆境だと思っていたことが、逆に好都合になった。

ついに“権限”を手に入れる

統括マネージャーと腹を割って業務改善について話ができたのは大きな一歩だった。
彼女は私にアドバイザーとしての“権限”を快く承諾してくれた。
さすがにレクチャーはもう時期的に難しかったが、トランシーバーもすぐに手配してくれた。

ミーティングの後、早速統括マネージャーと私は一緒に工場の全てのセクションをまわった。
彼女は、各セクションでワーカーたちに

「これからMiwaは業務改善のために、私の代理として現場をまわります。
Miwaの指示には従うように。
Miwaが必要なものがあればすぐに用意するように」

と宣言してくれた。

ロゴ入りのパーカー、Tシャツ、帽子