井ノ上 美和
BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、株式会社F&S Creations 顧問

2013年5月に初めて足を踏み入れたカリフォルニアのチェリー工場。
約1カ月半のチェリーシーズンはあっという間に終わった。

ロサンゼルスで通訳の仕事をするのだと思って来たら、実はロスから500キロメートル以上も離れた、辺り一面チェリー畑しかないド田舎に送り込まれ、“通訳”の仕事だと思っていたら、脳ミソも凍るような0℃のクーラー(冷蔵倉庫)の中で夜中まで肉体労働が待ち構えていた。

私がチェリー工場の業務改善に着手したのは、西海岸カーゴ社(仮名)やチェリー工場から特に依頼があったわけではなく、単に自分の業務を楽にしたかったから。

そもそも私の役目は、通訳として、西海岸カーゴ社の日本人スタッフと、一緒に出荷作業を行うメキシコ人フォークリフトのドライバーたちとのコミュニケーションを円滑にすることだった。
まさか、クーラーの中で夜中まで肉体労働をすることになるなんて想像もしていなかったし、自分の持ち場のクーラーだけでなく、他セクションにまで足を伸ばして業務改善をする予定など全くなかった。

ただ、いざ現場に入ってみたら、そのあまりのムダな作業の多さ、連帯感の悪さにビックリして、我慢できなくて、ワーカーたちの仕事に対する意識を変えようと動き始めただけだった。

それぞれの現場のワーカーたちと一緒に作業をしながら親しくなって、本来の作業のあり方を説明したりしていくうちに、不良やミスも少なくなり、作業効率も上がり、現場の雰囲気もよくなっていった。
ワーカーたちもそれを実感してくれていたから、私を受け入れてくれたのだと思う。
でも、残念ながら品質や作業効率の向上などを証明できる“数値データ”がなかった。

笑顔あふれるワーカーたち。シーズンが終わる頃には、現場の雰囲気も変わった。