この先に起こるであろう変化がなにをもたらしてくれるのか、変化による摩擦や逆風に立ち向かうほどの価値があるのかどうか、そもそも改善だの効率化だのをする必要があるのかどうか…
きっと、頭の中はぐるぐる回るだけで、思考停止状態だ。

よほど頭のいい人か、ツボにハマった人ならともかく、普通ならちょっとの説明を受けたくらいで、すんなり人を巻き込めるほどの行動力は発揮できない。

そんな彼らに、ワーカーたちをまとめたり、促したり、指導したりして業務を改善することができるだろうか。

私がワーカーたちの前で、マネージャーやチーフに品質や業務の改善の指導をすれば、マネージャーやチーフには“建前”や“言い訳”ができる。

ワーカーたちから「なんで急に細かいことを言い出すんだ」と言われても、「Miwaに言われてるから、ちゃんとやらないとオレが怒られる」とでも言って、促すことができる。
ワーカーたちも、「そういえば、なんかMiwaに注意されてたなぁ…」と思い出し、「じゃぁ、やるか」ということになる。

当然それは、私に対するワーカーたちの“信頼”があって初めて成り立つものだ。
少なくとも、それまで私が一緒にラインに入って作業をし、実際に少しずつ作業が楽になったり、ミスが少なくなったり、現場の雰囲気がよくなったりしてきているから、「Miwaの言っていることなら、まぁ何か意味があるんだろう。やっておいて損はないだろう」と思ってもらえるのだ。

チーフが、「自分の権威が失われるから部下の前で注意するのはやめてくれ」と言ってきた時、私は

「わざとみんなの前で言ったのよ。
私を“建前”や“言い訳”にしてうまく利用すればやりやすいでしょ?」

と提案した。