「何やってるの!? テープはきれいに貼ってって言ったでしょう!? 何度言えばわかるの!?」

なんて、いきなり怒鳴ったり叱ったりして、彼のモチベーションを下げたり、傷つけることもない。

ちょっとした出来事だったけれど、この時から私と少年の信頼関係は、より一層強いものになった。

「今日もテープ、きれいに貼れてるね。
 テープはあなたがやってくれるから安心ね!任せたからね!」

聞こえていないのはわかっていても、笑顔で挨拶をして、大きな身振り手振りで私は気持ちを伝えた。

少年も笑顔でうなづきながら

「任せて!」

と返してくる。

声には出せなくても、そう言っているのが、目を見ていればわかる。

自分の仕事をきちんと見てくれている人がいる、信頼して任せてくれる人がいる、と思えばこそ、その期待に応えられるようないい仕事をしようという気になるのだ。

井ノ上 美和(いのうえ・みわ) BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、ジョーシス 顧問
井ノ上 美和

メキシコ、スペイン在住歴6年のラテン系。
通信ベンチャー、医療用具メーカーなどの国際ビジネス業界で、オペレーション・営業のマネジメント、採用・社員教育、ISO/FDAの品質監査、広報、システム構築など、様々な業務に携わった経験を活かし、海外および国内企業で業務・組織改善、人財育成などのコンサルティングや研修を行う。
学習院大学、HAL東京などの教育機関や大手IT系企業を中心に、人生観や生き方をテーマにした講演会も展開。
スペイン語の通訳翻訳業では、ビジネス通訳のほか、フジテレビ「奇跡体験!アンビリバボー」などメディア出演も。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。