井ノ上 美和
BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、株式会社F&S Creations 顧問

不良発生元に少しずつ入り込む

夜中まで続く極寒のクーラー(冷蔵倉庫)での出荷準備作業を少しでも楽にするために、パレッタイズの業務改善に着手したが、やはり不良やミスの発生元の作業や意識を改善しなければ、いくら不良品をパレットに載せないようにしたところでキリがない。

ただ、パレッタイズの前工程のインクジェットや封印テープを貼るセクションは、チェリーの洗浄や選別、パッケージング(箱詰め)といった一連のラインが入っているメインの工場の中にあった。
クーラーもパレッタイズも、それぞれ別の建物内にあったから、クーラーでの通訳もしくは出荷準備作業のヘルプをしにきたはずの“オネェちゃん”が、別の現場でうろちょろしていても、それほど目立たなかった。
しかし、メイン工場の中となると別だ。

私はあくまで西海岸カーゴ社(仮名)に雇われていて、その西海岸カーゴ社は、チェリー工場から出荷業務を委託されているだけだった。
業務改善やワーカーの教育に口出しはできる立場ではない。
それでも、インクジェットやテープ貼りの工程をそのままにしておくわけにはいかない。

インクジェット工程とパレッタイズの間に、チェック係のスタッフを1名置いてもらったのをきっかけに、私はメイン工場のエリアにちょこちょこ顔を出すようになった。
顔を出して笑顔で挨拶をする。そうして段々と距離を縮めていく。笑顔と挨拶は基本のキ。パレッタイズに入り込んだ時と同じパターンだ。

インクジェットと封印テープ貼りのセクションは、すぐ隣に並んで配置されていた。
インクジェットもテープ貼りも両方手を入れなければいけなかったが、インクジェット機はシステムと連動していることもあり、そう簡単にはいかないので、まずはテープ貼りから始めた。

パッケージングの後、ベルトコンベアを流れてくる大型のカートン箱に、封印テープをかけるのがテープ係の作業だ。
通常サイズのカートン箱は、パッケージングのラインの最後に自動テープ貼り機がついていたが、大型のカートン箱は手作業で封印テープをかけていた。
本当は、大型カートン箱にも対応するテープ貼り機もあるのだが、やたらと不具合が出て、すぐに機械の調整が必要になるので、手作業で貼っている方が多かった。

自動テープ貼り機