そこで私は、“先頭係”になった。
私が勝手に作ったポジションだが、品番の表示がある面が手前になるように、ベルトコンベアの先頭ですべての箱の向きを一斉に揃える係だ。
箱の向きを揃えながら、ついでにインクジェットや封印テープのコンディションも確認して、不良があるものはそこで弾いた。

ちょっとしたコツがあって、箱の向きはベルトコンベアの流れる方向に対して斜め45度にする。そうすると、限られたベルトコンベア上のスペースにたくさんの箱を並べることができるし、後ろのワーカーも少し手前から品番を確認することができる。
同じ品番のカートン箱が大量に流れてきた時は、あらかじめ箱を2段重ねに積み上げておいた。

こうしておけば、カートン箱が大量に流れてきた時も後方のワーカーたちが品番を間違えて(あるいは未確認のまま)パレットに積んでしまうリスクは軽減する。パレットに積む作業に集中してもらえる。

“先頭係”の仕事はそれだけではない。
新しい品番のカートン箱が流れてくれば、大声で

「新しいの来たよぉーーーーー!」

と後方に声をかけた。
私が、チーフのマネをして、

「パレーーーーーーーッ!!」

と声をあげると、他のワーカーたちも面白がって、次々に

「パレーーーーーーーッ!!」「パレーーーーーーーッ!!」

と声をあげ、笑いが起こった。

ベルトコンベアの先方に同じ品番が大量に来るのが見えれば、

「20番、いっぱい来るよぉーーーー」

と叫んだ。
すると、20番を担当しているワーカーも、パレット係も

「よっしゃーーーーーー!」「あいよーーーーーー!」

と、声をあげて、準備体勢に入る。

以前のように、パレット係が慌ててパレットを準備してパニック状態になったり、誰も担当していない新しい品番の箱が、ベルトコンベアの最終地点で溜まるということもなくなった。

現場の雰囲気を盛りあげ、連帯感を高めるのに、声出しはとても有効だ。 特にこういう体育会系の現場では。