井ノ上 美和
BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、株式会社F&S Creations 顧問

最初は、「おネェちゃんが何しに来たんだ?」という雰囲気だったパレッタイズの現場。
でも、ワーカーの一人ひとりに笑顔で挨拶をし、声がけをしているうちに、現場に入るとこちらが声をかける前に、私に気づいたワーカーたちが

「Miwaだ~!」

と歓声をあげて出迎えてくれるようになった。
みんなが一斉に笑顔になってこちらを向く。こちらも笑顔で手を振りながら歓声に応える。
やった!仲間だと認めてもらえた!
そう思えた瞬間だ。

私は毎日パレッタイズの現場に入って、ベルトコンベアで流れてくるチェリーのカートン箱をパレットに積み上げる作業を手伝った。

「インクジェットの印字や封印テープのコンディションをちゃんと確認してからパレットに積んで」
「箱の向きを揃えて積んで」
「違う品番の箱を混載しないで」…
言いたいことは色々あるが、言えばやってくれるようなら苦労はない。

どうしたら、ワーカーに余計な負担をかけずに、少しでもミスを減らすことができるか。その具体策は、実際に現場に入って、ラインに立ってみなければわからない。
全体を見回し、ワーカーたちと一緒に作業をすることで、感覚や視点が一緒になる。

声出していこーーー!

担当する品番のカートン箱をベルトコンベアからピックアップして、インクジェットや封印テープのコンディションを素早く確認し、向きを揃えてパレットに積んでいく…
端から見ていた時には、それくらいのこと出来るでしょ、と思っていたが、実際にやってみると意外に大変だった。
カートン箱はどんどん流れてくる。ラッシュ時には、とにかくベルトコンベアから降ろすのが精一杯で、封印テープやインクジェットの細かいところまでチェックする余裕がないほどだった。

それでもやりようがないわけではない。
私はまず、カートン箱が流れ出てくるベルトコンベアの一番最初のところで、箱の向きを揃える作業から始めた。

ベルトコンベアにのってパレッタイズのセクションにカートン箱が流れてくる時、箱はあっちを向いたりこっちを向いたりしている。必ずしもある品番やインクジェット表示の見える面が正面を向いているとは限らない。
だからワーカーは、自分が担当している商品と同じデザインのカートン箱が流れてきたら、ベルトコンベアの上で箱をぐるりと回転させて、品番を確認してからピックアップしていた。
けれど、カートン箱が大量に流れてくると、箱を回転させている余裕は、時間的にもスペース的にもない。箱はひしめき合って流れてくるのだ。
同じデザインの箱だけれど、品番は微妙に1文字違う、というのもあったから、当然混載するリスクがあった。

ひしめき合って流れてくるカートン箱