井ノ上 美和
BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、株式会社F&S Creations 顧問

男ばかりの肉体労働の現場に、おネェちゃんが何しに来たんだ?

あからさまに拒否されることはなくても、“よそ者”が突然入ってきて、歓迎ムードたっぷり、ということはまずない。
敵意とまではいかなくても、警戒心や猜疑心をもたれている状態からのスタート。

しかも私には時間がない。
チェリーのシーズンは6月中旬までの約1カ月半。ゴールデンウィークにカリフォルニアに到着し、すでに数日は過ぎていたから、正確には残りあと5週間。ピークは2週間後には来る、はず。
なにせ天候次第なので、ピークがいつ来るのかも、いつチェリーの収穫が終了するのも正確にはわからない。
ただ、1日でもムダにしている余裕がないことだけは確かだ。

「Hola〜! Como estan? (ハーイ、みんな、調子はどう?)」

パレッタイズの現場に入ると、私は大きな声で挨拶をした。
満面の笑顔で、ワーカーの顔をぐるりと見回して手を降り、通りすがりのワーカーには一人ずつ「Hola〜(ハーイ)」、「Hola〜(ハーイ)」と笑顔で声をかけながら、セクションのチーフに向かって直進した。

そしてチーフに、ニコッと笑顔で

「お手伝いしてもいい?」

と声をかけた。

メキシコ人のチーフはやや驚いた顔で、

「ここで?この仕事を?」

と聞いてきた。小柄で細腕のおネェちゃんが何を言い出すんだ、と思ったのだろう。
私は笑顔のまま大きくうなずいた。

「人手があるに越したことはないよ」

とチーフも笑顔を返してくれた。

とにかく笑顔!ここからスタート