最初の“課題”は仲間だと思ってもらうこと

パレットに積まれた商品は最終製品といってもいい。
つまり、パレッタイズは商品の最終チェックもするべき工程だ。
単にカートン箱をどんどん積み重ねていけばいいのではなく、外装にダメージがないかどうかはもちろん、封印テープの有無、貼ってある封印テープの種類は正しいか、インクジェットの印字のコンディションはどうかなどを見ながら積んでいくのが本来の業務だろう。

しかし、ワーカーたちは、自分たちの仕事は“箱をパレットに積むこと”だと思っているのだから、封印テープや印字に不良のあるものも関係なく、そのままパレットに積み上げる。
さすがに大きく破損しているものや、全く印字のないものなどは取り除くが、特に気をつけてテープや印字のコンディションをチェックしているわけではなかった。
どんどんチェリーの箱は流れてくる。それをとにかくどんどん積んでいけばいいのだ。

もし、封印テープやインクジェットのコンディションが悪いものがあったとしても、それは前工程のテーピングやインクジェットのセクションのワーカーのミスであって、自分たちの責任ではない。
しかも、自分たちの後工程にはどっちみち最終確認をして不良の修正をする日本人スタッフがいるのだから、自分たちはそんなことをチェックする必要もない。
そう考えているワーカーばかりだった。セクションのチーフさえ、そう考えていた。

日本人たちの時給は、自分たちの時給よりずっと高いのだ、それくらいやって当然だろう、くらいに考えている雰囲気さえあった。
実際にいくらもらっていたのか、どれくらいの差があったのかはともかく、当たり前のように“日本人=高賃金、ヒスパニック=低賃金”という認識がみんなの中にあったし、私もラインに入ってすぐ、時給(あるいは日当)はいくらなのかを何人かのワーカーから聞かれた。他のセクションで作業をしていた時はそれほど賃金について聞かれたことはなかったから、パレッタイズのワーカーが、次工程の日本人スタッフの賃金を特に気にしていたのは確かだ。