そもそも、自分が好きで、やりたくてやっていることなら、それをこなすためにどれだけ労力や時間がかかっても、障害にぶち当たっても、“我慢して”とは感じない。

“我慢して”がつくと、どこか、それをやり遂げることができなかった時の言い訳や責任転嫁にもとれる響きがある。
別に自分はやりたくてやっているわけじゃない、本当はやりたくないのに、無理矢理やらされているんだ、だからできなくても仕方がない…と。

けれど、それは単なる言い訳でしかない。
残念ながら自分の行動は、すべて自分の責任。
やりたくないことをやっているのも、他の道を選ばなかったのも、結局はすべて自分で決めたことで、自分に責任がある。

だから“自分で責任のとれないこと”、つまり“我慢してやること”はやるな、裏を返せば、やるからには、自分が納得できることを、自分で責任をとる覚悟でやりましょうね、ということだ。

最近よく聞く“当事者意識”というのも、この辺の考え方にあると思う。
ひたすら頑張っているだけでは、“当事者意識”は生まれない。

あいつらメキシコ人だから

西海岸カーゴ社の日本人スタッフのひたすらな“頑張り”を見ていて、

「なんでこんな効率の悪いムダな作業を続けているんだろう…」

と思った私は、その疑問をそのまま西海岸カーゴ社の社長や日本人スタッフにぶつけてみた。

「ねぇ、これってさぁ、そもそも封印テープがきちんと貼ってないやつとか、印字がダメなやつとか、そういう不良があるものはパレットには積まないでってパレッタイズの人に言えばいいんじゃないの?」

工場には大きな生産ラインが3本あり、ラインごとに違う品種のチェリーが流れている。ライン上でサイズやブランド別に分けられるので、1つのラインからサイズやブランドの異なるカートン箱が出てくる。それを手作業で、ブランド、サイズ、向け地ごとに分けてどんどんパレットに積むのがパレッタイズ。クーラー(冷蔵倉庫)に商品が入る1つ手前の工程だ。
体力仕事なので、大柄のメキシコ人男性が20人ほど作業をしていた。

流れてくるカートン箱を誰彼構わずパレットに積むから、あとから不良のあるものを修正するのにパレットの山を崩して、また山を戻して…なんていう膨大な手間が発生するのだ。
だったら、封印テープや印字など、外装がきちんとしたものだけを積んでもらえばいい。ついでに、サイズや向け地が異なる商品を間違って混ぜて積んでしまっていないか、箱の向きは合っているかも、パレッタイズのセクションでもう少し注意深く見ていてもらえれば、今発生しているクーラーでの膨大な積み替えや修正作業はかなり減るはずだ。そんなことは誰でも頭に浮かぶだろう。

パレッタイズの現場 ブランドやサイズごとに分けて積む