時間と体力のムダ使い

この出荷準備の作業は、チェリーのパレットがどんどん出来上がり、その日の出荷量に合わせてオーダー内容が決まり始める夕方から、空港行きのトラックへ荷積みする夜中まで、数時間にかけて続いた。
当然、真夜中過ぎ、1日の仕事が終わるころには、身も心もくたくたに疲れ果てている。

西海岸カーゴ社のスタッフにとって、これが彼らの“仕事”だった。過酷な環境下で、次々と出てくる不備やミスを“頑張って”“一生懸命”、一つひとつ修正するのが彼らの“仕事”だと思っていた。過酷すぎて、毎年チェリーのシーズンが近づくと憂鬱になるという。

そんなスタッフの姿を見て、その“頑張り”に、ある意味感心した。 そこまで憂鬱になるのにも関わらず、毎年毎年同じことを繰り返して、早8年が経とうとしている。

「なんでこんなことをやり続けていられるんだろう」

“頑張って”やっていたスタッフには申し訳ないが、私には単なる“体力と時間のムダ使い”にしか見えなかった。

その、ひたすら日々の業務をこなしていく姿は、決して“仕事熱心”や“精励”の類ではなく、むしろただの怠慢か、“ドM”のやることに見えた。

冗談じゃない。私にはこんな“仕事”はできない。

夜中過ぎ、空港行きのトラックを見送って一日の業務が終了
井ノ上 美和(いのうえ・みわ) BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、ジョーシス 顧問
井ノ上 美和

メキシコ、スペイン在住歴6年のラテン系。
通信ベンチャー、医療用具メーカーなどの国際ビジネス業界で、オペレーション・営業のマネジメント、採用・社員教育、ISO/FDAの品質監査、広報、システム構築など、様々な業務に携わった経験を活かし、海外および国内企業で業務・組織改善、人財育成などのコンサルティングや研修を行う。
学習院大学、HAL東京などの教育機関や大手IT系企業を中心に、人生観や生き方をテーマにした講演会も展開。
スペイン語の通訳翻訳業では、ビジネス通訳のほか、フジテレビ「奇跡体験!アンビリバボー」などメディア出演も。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。