井ノ上 美和
BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、株式会社F&S Creations 顧問

一口にアメリカンチェリーと言っても、ビング、ブルックス、チュラーレ、シュラン、ガーネット、レーニアなど様々な品種があり、果実のサイズにより価格も異なってくる。当然、大粒の方が高価になる。
チェリーは、高級品、B級品、海外向け、国内向け、パッケージの仕様の違いなどにより、数種類のブランドに分けられ、通常5キログラム単位でブランドごとにデザインの異なるカートン箱に入れられる。
箱には、チェリーの品種、サイズ、ロット番号、向け地(国名)などが印字されていて、輸出の場合は、さらに向け地によって指定されている特別な表記事項や、封印テープが必要になる。

クーラー(冷蔵倉庫)の中は、チェリーを積んだパレットの冷却&保管スペースと、出荷準備スペースに分かれていて、メキシコ人のフォークリフト・ドライバーが、1オーダーの内訳に合わせて保管スペースから出荷準備スペースにチェリーのパレットを運んでくる。その内訳を日本人スタッフが再チェックするという業務の流れだった。

厳しい青果の通関

出荷準備の作業に日本人が絡んでいるのは、オーダーの内訳と積荷の内容(ブランド、品種、サイズ、数量など)が合っているかを確認し、それぞれの向け地に必要な表記事項が印刷されているか、封印テープは貼られているかなどの梱包状態を、1箱1箱、正確にチェックするためである。単に箱を上げ下ろしして荷造りをするためだけなら、賃金が割高な日本人を使う必要はない。

運賃の高い航空便で、はるばる日本にチェリーを送っても、カートン箱のインクジェット表記がかすれて判読できない状態だったり、封印テープがなかったり、はがれかけていたりすれば、1箱でも通関で止められて焼却処分となる。