脳ミソが凍る…

チェリーは箱詰めされた後、鮮度を保つためにクーラーと呼ばれる巨大な冷蔵倉庫の中で急速に冷やされる。クーラー内の温度は0℃前後。出荷まで数時間しっかり冷やされたチェリーは、冷蔵トラックで空港に運ばれ、空輸で世界各地に届けられる。

日中、カリフォルニアの青い空の下、外の気温は40℃近くまで上がる。湿気がないので日本ほど暑さは苦にならないが、太陽の照りつけ感はすごい。外の気温が上がれば上がるほど、クーラーの中の冷却は強くなる。もともと気温が低いのに、さらに急速冷却用の巨大な送風機が回ったりすると、体感温度はもっと低くなり、まさに凍りつく。耐えられたものではない。

フォークリフトのドライバーたちは冷蔵倉庫専用の分厚い防寒服を着ているが、私たちにはスキーウェア程度の装備しかなかった。指先を使う作業もちょいちょいあるので、手袋を外さないといけないことも多い。指先はすぐに寒さで感覚が麻痺して動かなくなる。

もちろん、ずっとクーラーの中にいたら死んでしまうので、約1時間おきに外に出て小休憩をとるが、作業量が多いときは2時間くらいクーラーに入りっぱなしになることもあった。冷えきった身体は数分程度外にいたくらいで復活するものではない。

寒さがこんなにも人間の思考能力を弱め、体力を奪うものなのかと驚いた。本当に脳ミソが凍って、箱の数を数えたり、簡単な暗算をするのも危うい。

クーラーでのチェック&積み込み作業の様子