さらに、過酷な労働環境下にいれば、たとえ同じ日本人同士だって疲労とともにイライラし、衝突することもある。元々考え方や感覚が異なる人種間ならなおさらのこと、コミュニケーションが粗雑になる。

そこで今回、“通訳”の私が“円滑なコミュニケーション”のために加わることになった。実際は通訳などいなくても、英語で仕事の指示や意思疎通は図れる。

当初、西海岸カーゴ社の社長が私に期待していた役割は、フォークリフトのドライバーに、何か“頼みづらいことをお願いしに行く”ことだった。スペイン語を流暢に話すラテン系の女子がニコっと笑って「ぷりぃ〜ず」と頼めば、メキシコ人の男性は断らない。コミュニケーションは“円滑”にいく、そういう目論見だった。

けれど、私の仕事は、単なる“通訳”の仕事に留まらなかった。ニコっと笑っていれば済むという仕事ではなかった。
チェリー工場の“倉庫での通訳”の仕事は、私の想像をはるかに超えて過酷だった。

冷蔵倉庫(クーラー)のフォークリフトチーム