井ノ上 美和
BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、株式会社F&S Creations 顧問

またこの季節がやってきた。
アメリカンチェリーのシーズン。

2013年と2014年の初夏。
私は、ロサンゼルスから500キロメートル以上離れた、カリフォルニアの青く広〜い空の下にいた。

事の始まりは、2013年の4月初め。
ロスにある日系の物流会社西海岸カーゴ社(仮称)の社長から突然、国際電話がかかってきた。

「Miwaちゃん、2カ月間でいいから、こっちで通訳の仕事してくれない?
スペイン語と英語と日本語ができる人が必要なんだよ。
Miwaちゃんが適任だと思うんだ。いや、Miwaちゃんにしかできない仕事だと思う」

“私にしかできない仕事”…そういうのに弱い…
これまでにも海外で仕事をしたことはあったから、軽〜いノリで引き受け、1カ月後のゴールデンウィークには日本を飛び立った。
2カ月間、ロス生活もいいじゃない!

仕事の内容については大雑把にしか説明がなかったけれど、日本に空輸で運ぶ荷物の倉庫で、ワーカーたちに指示出しをする通訳をして欲しい。みんな、一応英語は話せるけれど、メキシコ人のワーカーと、日本人スタッフとの間のコミュニケーションがいまいちで困っている。そんな内容だった。

ロスぢゃなかった…

てっきり、ロスの空港近くの倉庫や事務所で仕事をするものだと思って来たが、ロスにいたのは、到着した日だけ。
翌朝にはロスを出発し、行き先も告げられないまま、乾いた大地が続くハイウェイを500キロメートル以上も走り、聞いたこともない町にたどり着いた。市街地を抜け、さらに郊外へ進む。いったいどこへ連れて行かれるんだ…?

そのうち民家もまばらになり、道路の両脇は見渡す限りのチェリー畑になった。
たま〜にトラックとすれ違うだけの田舎道を突き進むと、チェリー畑のど真ん中に、いきなり広大な敷地の工場が現れた。

道路脇に広がるチェリー畑