選別の女性ワーカーたちからもらったロザリオとブレスレット

サプライズはそれだけでは終わらなかった。
なんと、おばちゃんたち一人ひとりが、私にプレゼントを用意してくれていた。
ロザリオと呼ばれる十字架のお守りや、ブレスレット、チョコレート、洋服、香水、手紙などなど。

お察しの通り、工場のワーカーの給料はそれほど高くない。しかも、朝から晩まで1日の休みもなく作業をしている。その合間をぬって、わざわざプレゼントを用意してくれていたのだ。

前日、おばちゃんたちが必死で「明日もう一度来てほしい」と言っていたのは、このためだった。

私は、おばちゃんワーカーたちと一人ずつ順番にハグとキスをしながらプレゼントを受け取り、一緒に写真を撮り、お別れの言葉を交わした。
泣いてくれているおばちゃんもいた。

「もう何年もここでチェリーの仕事をしているけれど、今年が一番楽しかったわよ」

「Miwaがいてくれたから、仕事が楽しくなった。ありがとう」

そう声をかけてもらったけれど、毎日おばちゃんたちの笑顔に癒されていたのは、実は私の方だった。

“チェリーの女神”同様、ワーカーたちが工場内で「ラーラーラー!」と大声援を送るなんていうのは前代未聞だった。

私が2シーズン、計3カ月に渡ってチェリーでやってきたことの集大成が“チェリーの女神”であり、“Chiquitibumの大声援”だった。

「これが、私がやってきたことです」

その時の様子を撮影した動画を、私はチェリー工場の社長や統括マネージャーたちにも見せた。
誰もがその動画を見て、驚きの表情を隠せなかった。

本当の“ダイバーシティ”とは

私が日本に帰ってきてからチェリー工場での出来事をある人に話した時、

「山本五十六さんのようですね」

と言われたことがあった。

「山本五十六??? なんで?」

言われた瞬間、一体なんのことやら、私にはさっぱりわからなかった。

「“やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ”。

Miwaちゃんはまさにそれを実践している」

あまりに有名で名言と言われる言葉だが、たいして学のない私は、それまでこの言葉をほとんど意識したことがなかった。