この時、私はパレッタイズのセクションから離れたところにいて、社長のこの“実験”を全く知らなかった。

私が西海岸カーゴ社の事務所に戻ると、社長が妙な笑みを浮かべて

「Miwaは人気がある、人気があるって聞いてたけれど、大したことないな」

と言ってきた。
けれど、私には何のことかさっぱりわからなかった。

「何のことですか?」

と聞いてみたものの、社長は

「いやいや、別にいいんだけどね。ま、その程度だよね」

と、妙な笑みを見せるだけだった。

いたずらの写真が“チェリーの女神”に大変身!

気にはなったが、私が自分で「私は人気者です」と言っていたわけではないし、人気者になるために仕事をしているわけでもないので、放っておくことにした。

私はそのまま事務所を出て、いつものように生産ラインの巡回に向かった。
パレッタイズのセクションに近づくと、ワーカーが

「Miwa、こっちに来て!!見て、見て!!」

と駆け寄ってきた。
手を引かれて行ってみると、なんと、私の写真が、パレッタイズセクションの正面の壁の高いところに飾られていた。

「Miwaの写真がね、流れてきたんだよ。
だからここに飾ったんだ」

「ここに飾っておいたら、いつでもMiwaが僕たちを見守ってくれているみたいだろ?」

「Miwaはオレたちのマリア様だからな!」

ワーカーたちはにニコニコしながら、写真が流れてきたことから、それを壁に飾るまでの経緯を話してくれた。
私はようやくさっきの社長の妙な笑みと言葉の意味が何となくわかった。

パレッタイズの壁に飾られた私の写真