井ノ上 美和
BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、株式会社F&S Creations 顧問

毎日、生産ラインの統括マネージャーにミスや不良の現場写真を撮ったデイリーレポートを提出し、それを統括マネージャーが現場にフィードバックするという取り組みで、ワーカーたちの品質や業務改善に対する意識も高まってきた。

自分たちで品質を確認し、ミスや不良があれば、修正をするのはもちろん、その原因を調べたり、対処方法を考える。当然、余計な手間がかかるし、頭も使う。
昨シーズンのように夜中過ぎまで目まぐるしく生産ラインがフル稼働しているような中では、難しかったかもしれない。

最初に工場に入った時は、大凶作で収穫量が激減していたこともあり、工場の活気はイマイチだった。
一番心配していたのは、このゆるゆるとした生産ラインの流れに合わせて、ワーカーたちの気持ちもゆるゆるとたるんでしまうのではないかということだった。気持ちがたるむと、つまらないミスも増えてくる。
デイリーレポートは、日々の緊張感を保つためにも役立った。

欲を言えば、同じような問題が起きないように、再発予防策についても考えられるようになるともっとよいのだが、昨シーズンの分を合わせて正味2〜3カ月で、ここまでワーカーの姿勢や働き方が変わってくれたのだから、よしとしよう。

結果的には、うまく機能したデイリーレポートの取り組みだったが、スタート時には問題もあった。

昨シーズンと同じことをやるつもりなどまるでない

1年目に続き、2年目も業務改善をしてほしいと依頼してきた西海岸カーゴ社(仮名)の社長は、激減したチェリーの売り上げの埋め合わせをするために、今シーズンはロサンゼルスのオフィスにとどまって別の取引業務の対応をしていた。

それでも西海岸カーゴ社のスタッフ数名は、例年通りチェリー工場の敷地内にある簡易オフィスに入って出荷業務を行っていたし、社長も電話やメールでちょこちょこ報告を受けたり、指示を出したりはしていた。

品質に対する意識向上に協力してくれたラインマネージャーやチーフたち