ひとつひとつ可能性を考える

とにかく、生産ラインでは何も問題もないのだから、クーラーに保管されている間にピラピラと封印テープが剥がれ出す、ということになる。
クーラーの温度や冷風機の風量なども確認してみたが、これまでとそれほど異なる点はなかった。

封印テープの材質が変わったのかとも思ったが、封印テープも従来と同じものを購入していたし、第一、封印テープが原因なら、大型のカートン箱だけに“テープ剥がれ”が出るのはおかしい。工場が購入している封印テープは1種類のみで、他のサイズのカートン箱にも同じ封印テープを使っているのだから。

次に思いついたのは、カートン箱の材質が変わったのではないかということだった。
昨シーズン、「あれ?なんかカートン箱のデザインの色味が違うな…」と思ったら、いつも注文しているカートン箱の材料が発注先で在庫不足になってしまい、通常とは違う材質のカートンに印刷をした箱が納入されていて、そのために発色が微妙に違っていた、ということがあった。

私が以前勤めていた医療用具メーカーなら、それこそ包材ひとつでも、材料が少しでも変わる場合は、さまざまな適合検査をしてその結果を顧客に提出し、承認をもらわなければ使用できない、というくらい厳格だった。

さすがに医療用具とアメリカンチェリーでは要求される品質も規格の厳しさもレベルが違うのはわかっているが、カートン箱とはいえ、箱全体にデザインを施した化粧箱だ。見るからに色合いが違うのに、こんなにも簡単に変更してしまうのかと、驚いたことがあった。

そんな“ゆるさ”加減だったから、またいきなり大型サイズのカートン箱の材質が変わりましたとか、印刷のニス加工が変わりましたとか、そんなことが原因で封印テープが剥がれやすくなった、というのもあり得ると思ったのだ。
しかし、残念ながらカートン箱も従来品と同じで、特に仕様の変更はなかった。

ナゾが解けた!

半分お手上げ状態。でも必ず“何かある”。

私は、ワーカーたちに改めて質問した。

「“テープ剥がれ”の原因になるようなことでなくてもいいから、とにかく最近何か変わったこと、今までとちょっとでも違うことはない?」

改めて“原因”と言われると、思考にフィルターがかかってしまう。
とにかくなんでもいいから、原因となりうる要素を聞き出したかった。