気をつけてよく見ると、“テープ剥がれ”が出ているのは、大型サイズのカートン箱ばかりだった。
大型サイズには、カートン箱の側面から上面、反対側の側面へと封印テープをかける。以前は、側面部分のテープの長さが十分でないためにテープが剥がれ、フタが半開きになってしまうということもあった。
日本向けの商品の場合、封印テープが貼ってあっても、剥がれかけていると開封されたものと見なされ、日本の通関ではじかれて焼却処分となってしまう。
けれど、今はテープ係も十分な長さをとってテープを貼っているし、今回剥がれているテープも長さは十分あった。
仮にテープ係が何かしらミスをしたとしても、次のパレッタイズのセクションで、これだけテープが剥がれかけたカートン箱をそのままパレットに積んでしまうというのもおかしい。

私はすぐ、パレッタイズからテープ貼りのセクションへと、生産ラインをたどった。
パレッタイズでは何の異常も見つからなかった。パレットに積まれているカートン箱の中にはテープが剥がれているものは見つからなかったし、パレッタイズに流れてくるカートン箱の封印テープもどれもきちんと貼られていた。もちろん、テープ係も丁寧に封印テープを貼っていた。
チェリーの収穫量が少ないこともあり、今年はそれほど慌ただしい様子も、雑に仕事をしている気配もなかった。

しばらく、テープ貼りの様子やパレッタイズの現場を見ていたけれど、生産ラインではテープが剥がれているカートン箱を見ることもなく、結局原因はわからないまま。

ワーカーたちにも、クーラーで大量に“テープ剥がれ”が出たことを伝えて、何か思い当たることがないか聞いてみたが、原因になりそうなことは特になかった。

とりあえず、私はクーラーの中で西海岸カーゴ社(仮名)のスタッフと、剥がれたテープの修正作業をした。以前は当たり前のようにやっていた作業だが、これだけたくさんのテープの修正をするのは久しぶりだった。

西海岸カーゴ社のスタッフの中には、「ほら、どうせメキシコ人の仕事っぷりなんて、こんなもんでしょ」と言わんばかりの顔つきをする人もいたが、私は「必ず、他に何か原因がある」と確信していた。

もちろん、統括マネージャーにも報告はしたが、原因がわからないので対処のしようがない。
次の日も、その次の日も、“テープ剥がれ”は、発生し続けた。