井ノ上 美和
BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会) ナビゲーター、株式会社F&S Creations 顧問

2年目のチェリーシーズン。
マネージャークラス唯一の女性である生産ラインの統括マネージャーの助けを借りて、業務改善の“権限”をもらえるようになった私は、品質や業務効率の改善に対して意識の薄いマネージャーやワーカーたちに、まず“不良”を“問題”と認識してもらうところから始めようと、不良やミスの現場写真を撮ってレポートにし、統括マネージャーに毎日報告した。統括マネージャーは、その内容を翌日の朝礼で各現場のチーフやワーカーたちに報告し、現場にフィードバックした。

それまで、「これくらいならいいだろう」と見逃していたミスや不良が、問題点、要改善点として取り上げられるようになり、ワーカーたちも品質に対して意識を向けるようになった。ミスや不良の数は確実に減ってきていた。

原因不明の“テープ剥がれ”多発

急に、封印テープの剥がれが、大量に出るようになった

ところが、なぜかある時期から急に封印テープが剥がれているという不良が多く見つかるようになった。
クーラー(冷蔵倉庫)の中で、出荷前のパレットの山をチェックしていると、封印テープが剥がれかけているカートン箱があちこちで目についた。
品質の改善が進んで、テープなしや、テープの剥がれといった封印テープ関連の不良がほとんどなくなってきていたのに、ここにきてクーラーの中でピラピラとテープが剥がれているのを見たときは、正直ショックだった。一難去ってまた一難だ。

「なんでこんなことに…?」

前年なら、「またワーカーの気が弛んできたか…」などとワーカーたちのせいにしていたかもしれない。けれど、これだけ封印テープに関する不良の意識が高まってきたところで、ワーカーたちがこんな雑な仕事をするというのは考えにくかった。