「仕事センス」は仕事経験のなかで見えてくる

 では、ずばり仕事センスとは具体的に何を意味しているのでしょうか? ここで引き続きアンケート調査の結果をご紹介します。
(図2)

 ここでは「自分で判断して行動する力がある」が69.3%とトップにきています。これは全体的に共通した意見のようです。ここでいう「自分で判断する」のレベル感は、入社2年目と6年目以上では違うのでしょうが、仕事センスの有無を感じるポイントとして重視されている(あるいは身に付けたい)ことがうかがえる結果だと思います。

 では、この「自分で判断して行動する力」が「仕事センス」なのでしょうか。もう1つの結果から考えてみます。ここでは仕事センスに「自信あり」「自信なし」を選択した理由(自由記述)から抜粋してみました。
(図3)

 自由記述にしたことで、回答者が「仕事センス」をどう捉えているのかが、より具体的に浮かび上がってきました。新卒2年目社員は、営業成績や売り上げなど実績が上がれば「仕事センスがある」と捉えている一方で、先輩社員は現場での判断力や調整力、察知力を「仕事センス」と考えていることが分かりました。社会人経験を重ねることで、実際の仕事現場で役立つ力が何か見えてくるのでしょう。

 ここまで「仕事センス」に関して述べてきましたが、ある疑問が生まれてきた方がいるかもしれません。それは、「センスなんていうものは先天的なもので、あるかないかは最初から決まっているものなのではないか?」というものです。確かに運動センスとか芸術センスなど、個人特有の才能を表現する際にはセンスというワードが使われます。果たして「仕事センス」といった場合にもそうしたことが当てはまるものなのでしょうか。

 結論からいうと、「仕事センス」は磨き上げることのできるものであり、社会人にとって仕事ができるかどうかを左右する重要なファクターです。アンケート結果を踏まえると、仕事の経験内容が影響していることは間違いなさそうです。

 冒頭で、「新入社員研修で身に付けたかったことは?」という問いかけをしました。しかし、新入社員研修で学ぶ内容と、実際に職場で経験する仕事の内容は異なります。そうであるならば、どのようにすれば「仕事センス」を高めることができるのでしょうか。そして「仕事センス」を磨き上げるポイントはなんなのでしょうか。

 次回はこのあたりについて詳しく解説します。

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川口 啓(かわぐち けい) 学校法人産業能率大学 総合研究所
経営管理研究所 受託開発センター長
川口 啓

 法政大学社会学部社会学科卒業。大手メーカーの人事部門で主に採用・教育業務に従事した後、1991年学校法人産業能率大学に入職。
 企業・各種団体等、組織固有の経営課題解決に関連する人事制度設計支援、教育プログラムや各種教材(テキスト・マニュアル・映像・eラーニングなど)の企画開発などに従事。
 お客様と共に課題を見出しながら解決策を提供することを信条としてプロセス支援型コンサルティング活動を行っている。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。