中部地区を地盤とし、幅広く給食ビジネスを展開する日本ゼネラルフード。フードサービス業界における人手不足対策として同社が注力するのが、人材育成だ。同社が実施している2つの研修のうち、「一流の社員になるために」研修を前回紹介した。今回は、日本ゼネラルフード副社長の一泉知由氏の名を冠した「一泉ゼミナール」を見ていく。

 午前10時。日本ゼネラルフードの研修ルームには、約30人の社員が集まっている。前方に見えるのは、「おいしい料理は愛情と工夫から」「ピカピカの厨房」「笑顔の接遇」の3つの社是。起立の掛け声とともに、全員であいさつ。いよいよ日本ゼネラルフード代表取締役副社長、一泉知由氏による「一泉ゼミナール(以下、「一泉ゼミ」)」のスタートだ。

三十数ページにわたる資料を丁寧に解説

 「一泉ゼミ」で配布される資料は、A3用紙の両面に新聞、経済誌、週刊誌、Webサイトなどの記事を抜粋したもので、実に三十数ページにわたる。この日のゼミで一泉氏は、「トヨタ自動車関連特集」と題した資料を準備していた。同社の労使交渉の映像を初めて公開した様子、経営陣を一新したニュース、燃料電池車の今後の展開から自動車メーカーの収益構造にいたるまで様々な情報が網羅されている。

一泉知由氏
「一泉ゼミ」で熱弁をふるう、日本ゼネラルフード代表取締役副社長の一泉知由氏
(撮影:山田愼二)

 「最初に皆さんに紹介したいのは、トヨタ自動車の労使交渉の話です」と語り始める一泉氏。「メディアで初公開された映像に映し出されていたのは、成果をアピールする組合員に対して『過去に目を向ける暇はない』と一蹴する豊田章男社長の毅然とした姿。そして若手の係長が、自分の上司が経営側で出席しているにもかかわらず、すべての役員の前で組織上の課題を本音で語る様子でした」(一泉氏)

 「皆さん、トヨタ自動車ですら、過去の成果ではなく未来に向けた取り組みを語り、また若手の社員が全役員の前で本音で語る姿に、私は感激しました。うちの会社も、まだまだ山ほどやらなければならないことがあると感じました。日本ゼネラルフードを良くするために、一緒に考え、本音で語る会社にしましょう」と一泉氏は熱く語る。

 毎月1回、部長やマネジャー向けに行っている「一泉ゼミ」は、こんなふうに始まる。一つひとつのニュースとその背景を、噛んでふくめるように解説する一泉氏。講義は実に2時間にわたるが、熱のこもった話しぶりに参加者全員、ぐいぐいと引き込まれていく。

一泉氏の講義
一泉氏の講義に聞き入る日本ゼネラルフードの社員