面談担当者の割り当て

 「面談」の目的は「自社の魅力を効果的に伝え、候補者の転職意欲を高めること」なので、面談担当者には、候補者に自社のファンになってもらえるよう説得するコミュニケーション力が求められます。

 人事担当者が面談を行うこともできますが、候補者の役職や経験が上になるほど、相手にとって魅力的な説明をするのは難しくなるので、場合によっては、経営者や事業責任者などに参加してもらうとよいでしょう。

 候補者に興味を持ってもらえそうな社員や役員を面談担当者に割り当てたら、メールでその社員や役員の情報を先に伝えます。たとえば、コーポレートサイトの社員紹介ページや、その社員の魅力が伝わる取材記事などへのリンクがあれば、候補者も簡単に見られて便利です。そうしたページがない場合は、自己紹介の資料をお送りするだけでも、候補者の関心を引くことができます。

 同時に、「面談」は選考の場ではなく、カジュアルな情報交換の場であることをはっきりと伝えることも大切です。このようにすることで、候補者の心理的な負担を減らし、面談への参加意欲を高めるのに効果的です。また、面談設定のタイミングは、面接前はもちろんですが、一次面接や二次面接のあいだなど選考の途中でも、候補者の状況に合わせて設定します。

「面談」の具体的な流れ

(1)アイスブレーク(雰囲気づくり)
 面談時にも、まずは選考の場ではないことをはっきりと伝え、候補者が構えずリラックスして話せる雰囲気づくりをします。

(2)自己紹介・自社紹介
 雰囲気づくりができたら、次は自己紹介、自社紹介です。面接と大きく違うのは、企業側から先に候補者に話をするということです。心理学では「自己開示の返報性」といい、自己開示をされた受け手は同程度の自己開示をするといわれています。そこで、まずは企業側から候補者へ歩み寄り、候補者も本音で話しやすくなるように努めましょう。

 また、企業の魅力の伝え方は、対面で話すだけではありません。オフィスを案内したり、会社紹介の動画を見せたり、会社説明用の小物を用意したり、さまざまな方法がありますので、効果的な手段を選んでください。

(3)候補者のキャリアなどの確認
 そして、候補者のお話を伺います。過去・現在・未来のキャリアや、働くうえで大切にしていることなど、お話を伺いながら、自社の価値観と合うか、本当に求めている人材かどうかを探ります。

(4)質問タイム
 候補者からの質問を受け付けます。これにより、候補者の志向性を把握できます。また、その質問に対する面談担当者の答え方次第で、候補者の意欲を高めることも、低めることもできます。

 たとえば、「御社では皆さん何時頃まで働いていますか?」という質問に対し、優秀な候補者には「月末などは遅くなることもありますが、皆やらされている感じはありません。なぜなら当社の理念は…」と企業理念で答えると、候補者の共感を得やすく、意欲をかきたてられます。反対にお見送りしたい候補者には「いつも終電前になっていますね」など、あえて魅力的に映らないように返します。

(5)社内の人材をティーアップ(また会いたいと思わせる)
 面談を通じて候補者に次のステップへ進んでもらいたいと判断したら、次に会ってもらう予定の社員の魅力を語るなどし、「次の人にも会いたい」「また来たい」と思ってもらうことが重要です。次回への期待感を高めてもらいます。

 「面談」を実施するとそのぶん工数がかかりますが、優秀な転職潜在層にアプローチでき、自分たちの働きかけ次第で転職意向を引き上げることが可能です。優秀な人材の採用に成功している企業の多くは、候補者の状況によって「面接」と「面談」を使い分けています。無駄な時間と思わず、「面接」とは別に「面談」を実施してはいかがでしょうか。