(株)ビズリーチ

 前回は、ダイレクト・リクルーティングの具体的な手法として「人材要件定義」についてご紹介しました。今回は、「母集団形成」についてご説明いたします。

母集団形成に有効な手法とは

 人材採用において、まず必要となるのは「母集団形成」です。可能性を見込んで雇用する新卒採用であれば、Web上に多数存在する新卒用求人サイトに登録すると一定数の母集団は形成しやすいと思います。しかし、新卒採用のような一括採用ではなく、特定のスキルを持った人材を求める中途採用の母集団形成は簡単ではありません。

 今すぐ転職したいと考える「転職顕在層」と、そうではない「転職潜在層」の 比率は2:8で、転職市場にほとんど現れない優秀な人材は、「転職潜在層」に多くいるといわれています。通常、採用活動で企業が利用する転職サイトや人材紹介会社のほとんどは「転職顕在層」から母集団を形成しますから、「転職潜在層」にいる優秀な人材にアプローチするためには、何か違う方法で母集団を形成する必要があります。その有効な手法がダイレクト・リクルーティングなのです。

 第1回の記事で、ダイレクト・リクルーティングの代表的な手法として、「人材データベース(ビズリーチ、LinkedIn等)の活用」「SNS(Facebook、Twitter等)の活用」「社員紹介」の3つをご紹介しました。これらの手法に共通しているのは、「企業が主体的に行動を起こして母集団を形成する」ということです。

 企業自らが候補者を探してアプローチし、入社動機を形成して採用につなげる手法のため、最初は手間に感じるかもしれませんが、この手間を惜しんでしまうと人材獲得競争で勝ち抜くことはできません。人材採用は経営課題の1つでもあり、会社の運命を左右しますから、これを人事だけの仕事と捉えるのではなく、経営者はもちろん全社員を巻き込んで母集団を形成することが、優秀な人材獲得の近道となるでしょう。