(株)ビズリーチ

 前回は、日本の人口推移予測から、ダイレクト・リクルーティングの必要性について述べました。今回は、ダイレクト・リクルーティングの具体的な手法について、細かくご説明いたします。

人事が実践すべき「人材要件定義」3つのステップ

 ダイレクト・リクルーティングを実践するにあたって、まず必要となるのは自社でしっかりと人材要件を定義することです。

・転職サイトに求人を掲載しても求める人材から応募が来ない
・人材紹介会社から紹介されても、求める人材とは少し違う
・人事や経営者が求める人材と、現場が求める人材にギャップがある
・とにかく、いい人を採用できない

 今までにこうした課題を感じたことがあれば、人材要件を定義できていなかったことが要因かもしれません。そもそも、採用したい人物像を的確に説明できるでしょうか? 経営層と現場が求める人物像(スキル・経験・人柄)に乖離はないでしょうか?

 特に、優秀な人材に企業自らがアプローチして採用する「ダイレクト・リクルーティング」は、人材要件を明確に定義しないとスカウトを送るべき対象が定まりません。逆に、明確に定義できれば高確率でピンポイント採用が可能となるのです。そこで、人材要件定義の3ステップをご紹介します。

(1)ターゲットを明確にする
 求める人物は、「今どの業界・企業の、どのポジションで働いているのか」「どんなスキルを持ち、どのような志向を持っているのか」を細かく分析することから、人材要件定義はスタートします。「若手の経験者」のように大枠で考えず、求人の仕事内容から必要なスキル・経験を挙げ、それを「MUST」と「WANT」に分けて志向を探ります。

 たとえば、ベンチャー企業A社が法人営業部のマネージャーを採用するとします。今回の募集は組織強化を目指しているため、ある程度経験を積んだ即戦力人材を求めています。さらに、創業5年という若い会社なので、自ら組織や事業をつくっていくことに面白さを感じ、また変化に柔軟に対応できる人が望ましいと考えています。そうした背景から、以下のターゲットが浮かび上がります。

必要な経験・スキル、人物像
MUST WANT
営業経験5年以上 法人営業経験
コミュニケーション能力 マネージャー経験
企画提案力
5名以上のチームリーダー経験

<人物像>
 必要な経験・スキルを持つ人はどこで働いているのか、どんな人物像なのかを考え、ペルソナを設定します。

 たとえば、「現在は中小企業で法人営業のチームリーダーを担っている。つくられた仕組みのなかで決まった仕事をするのではなく、もっと経営に近いエキサイティングな環境でビジネスを学びたいと思っている、上昇志向の高い29歳男性」を設定した場合、その志向には以下が考えられるでしょう。

・会社の知名度ではなく、自分の実力で勝負したい
・経営者と直接やりとりする仕事をしたい
・将来は起業も視野に入れているため、事業を回す側ではなくつくる側にまわりたい