改革の成否を決める要因

 働き方改革を成功させるために、何が成否を分けるのか。施策が前に進む企業と進まない企業の差は何か。様々な企業の支援をするなかで改革が成功する企業にはいくつかの共通項目があります。今回はその要素についてご紹介したいと思います。

トップのコミット

 まず、最も重要になってくるのがトップのコミットです。これは当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、まずトップがそのワードを口にするかどうかで、スピードが全く違ってきます。

 例えばある会社の「女性活躍推進」。予算もほぼ付かず、社員からは一部の対象者だけの問題だと思われ、担当者個人の思いで施策をほそぼそと進めていたものが、トップが年初のあいさつでその言葉を口にしただけで、予算、人員が強化され、滞っていた施策が一気に進んだという事例があります。また、働き方改革においては、残業時間を減らすということ自体が「残業代減らしのコストカット」と社員から捉えられるケースもあるため、トップが経営方針として、自社の企業力向上のための施策であると理路整然と語ることで初めて、社員が正しく方針を理解します。

 今や階層構造でトップから役員、そこから上級管理職、管理職、リーダー、現場というようなピラミッド構造で物事を落としていくのでは、伝言ゲームで”温度”が伝わりません。トップが普段から自身の思いを語り、それを浸透させるために、社内コミュニケーションツールの導入をお手伝いし、映像によってトップの言葉を“温度”も含めて伝えたいというニーズに対するソリューションの提供も増えてきました。何よりそこにトップの思いがあり、それを伝えたいという意思があってこそ、トップのコミットも生きてくるというものです。

 改革を進めるなかにおいては、必ず障壁にぶち当たり、抵抗勢力が出てきて改革が遅々として前に進まないなどといったことも発生します。そんな時こそ、トップの強い意志とそれを支える論拠がなければ、改革は尻すぼみになってしまうでしょう。改革が成功するかどうかの最大の分岐点は、トップのコミットであるといっても過言ではありません。

旗振り役の覚悟

 当然、改革を検討しそれを進めていく人、チームも必要です。ここが弱ければどれだけトップが強烈にメッセージを発信しても、改革は頓挫してしまいます。大きな組織であればあるほど果敢にチャレンジできなくなり、はしごを外される恐怖で革新的なことができずに、うわべだけの施策でお茶を濁すケースも出てきます。

 日本企業においてダイバーシティ推進がこれだけ進まず、多様な人財が組織に好影響を与えるという成果にまで結びついている企業が少ないのも、対外的なアピール以外の面で経営戦略として語られていないことと実行組織のパワー不足が原因だと思います。

 たとえ時間がかかっても、成果にたどり着く企業担当者の共通点として、成果へのこだわりや執念をひしひしと感じます。組織の中では革新的であるが故に好奇の目にさらされることもあるだろうと思います。しかし、そうであっても歩を進めることをやめない担当者は、必ず成果を上げます。