動機づけ要因に目を向けない限り、ロイヤリティを高め、満足度を向上させ、働きがいを持ってもらうことは不可能であり、パフォーマンスも上がらないのです。衛生要因だけの働き方改革では、企業経営におけるメリットがなく、働き方改革も尻すぼみになります。動機づけ要因まで設計し企業力向上の原動力にしていきましょう。

動機づけ要因になるもの

 働き方改革が注目され、いろいろな着眼点が出てきています。

 例えば、ノンコア業務にクラウドソーシングを活用し、外注先やフリーランスに依頼をします。コア業務に社員の力を集中させることで、社員は自分たちにしかできない仕事に注力でき、専門分野での自己成長スピードが高まります。個々の働き方に合わせ、最も生産性が高い環境を用意するために、当社のエンジニアは基本的に時間の制限なくリモートワークでの勤務を可能にしています。

 これは働き方の自由度、個々人に合わせてベストなワークスタイルを選べるだけでなく、マネジメントが常に監視の目を光らせずとも社員を信頼しているというメッセージにもなります。この仕組みがワークする前提として社員の自律が必要です。しかし、まずは信頼するところから始め、承認することでしか、自律を促すことはできないでしょう。

 最適な“働き方”は、人によって違います。仕事における自己実現、成長機会の提供と並んで、働き方の自由度を高めることにより、パフォーマンスを高めることができるのではないでしょうか。

論じられない「働く自由」

 働き方を議論するうえでは、「働く自由」も考えなければなりません。ベンチャー企業に就職する若手の多くは、20代での成長に軸を置き、成長のために時間を投下します。そもそも「自己成長への時間投資」の自由まで奪えるのでしょうか。

 また、残業込みで今の生活水準を維持している社員からすると、長時間労働是正は死活問題です。もちろん、ダラダラと長時間働いて残業代を“搾取”する行為は許されません。しかし、高いパフォーマンスで人より多くの時間働き、その分の報酬を得ていることまで忌み嫌われるというのは少々筋違いだと思います。働く自由も“働き方改革”において議論されるべきではないでしょうか。

 働くことを1社で許容することができないなら、せめて、副業を認めるという選択肢もあります。

多様性を認めて一人ひとりが最高に輝ける状態をつくるのが真の働き方改革

 私たちは、働き方改革によって「働くことを通じて一人ひとりが最高に輝ける状態」を目指しており、それこそが企業の競争力につながると考えています。そのために”働き方”の多様性を認めることは大切な要素です。