事実、研修フォローをIT化することにより研修管理に関する事務作業を3分の1に抑えることができたという声も聞きます。事務作業に割く時間は、より高いレベルでの教育研修のプログラム作りなどに充てることができます。まさに「ITによって高いレベルの仕事を実現する=生産性を上げる」ということが実現できています。

ITの導入は決して対面コミュニケーションの否定ではない

 人事部門でのITサービス導入の際に、もう一つボトルネックとして、管理職層を中心に「人事はアナログで、対面で」という手法へのこだわりがあることが挙げられます。

 以前、内定者フォローサイトの導入を検討いただいた企業では、「ネットでしかコミュニケーションを取れなくなったらどうするんだ」という反対意見が出ました。

 「決してネットでのやり取りだけにするというわけではない」「対面で、アナログでしかコミュニケーションが取れないことによる時間的な制約や物理的な距離の問題を解決するための補完ツールとして導入するのだ」という点をアピールしていただき、その時は、無事導入に至りました。

 働き方改革が進む職場では、「集めて何かをする」ことのハードルが高まっています。その解決策としてITで補完するだけあり、対面で、アナログでのコミュニケーションをゼロにするわけではありません。こういった“ITアレルギー”ともいうべき事象が働き方改革の阻害要因になってしまうのは非常にもったいないことです。

旧来手法を否定せず、徐々に新しいものを入れる

 働き方改革もIT導入も今までの“当たり前”からの脱皮が必要です。

 これまでの手法、働き方に慣れていればいるほど、拒否反応は強いと思います。新しいことを進める際は、旧来手法を否定する形ではなく、共存しながら新しい手法のメリットを感じてもらう。新旧両手法のメリットを享受できる実感を持ってもらうことが最もスムーズだと考えます。

 先の研修フォローでのIT活用についても、現場の社員の時間的拘束を最小限に、かつ研修効果を最大限にという制約条件のもとで、研修を有効なものにするにはITの力に頼らざるを得ません。新しい手法ややり方にアレルギー反応を起こさず、取り入れられる企業が増えることで働き方改革が進むことを願います。

佐原 資寛(さはら もとひろ) EDGE株式会社 代表取締役社長 チーフエヴァンジェリスト
佐原 資寛

2008年横浜国立大学工学部在学中より、社内SNS「エアリー」事業へ参画し、エアリーダイバーシティの立ち上げに従事。その後、パートナー担当マネージャーを経て2014年より事業部長を務める。国内最大のテーマパークをはじめ、社内SNSを活用した従業員満足度向上をコンサルティング。新卒採用、新人育成、研修フォロー、従業員満足度向上、離職率低減、女性活躍推進など、各人事課題に対するソリューションとしての社内SNSの支援実績は累計100社を超える。2017年4月よりEDGE株式会社にて代表取締役社長を務める。

●EDGE株式会社 オフィシャルサイト
http://www.edge-inc.co.jp/
●女性活躍推進のためのSNS「エアリーダイバーシティ」
https://diversity.airy.net/
●従業員満足度が劇的に向上する社内SNS「エアリー」
https://airy.net/
●内定者フォロー・新入社員研修SNS「エアリーフレッシャーズ」
https://fresher.jp/

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。