電話というコミュニケーション手段に慣れていない現内定者世代にとっては、電話がかかってくること自体がストレスだという話もあります。

 内定者懇親会の出欠確認業務について、とある企業でのやり取りをうかがうと、採用担当者の苦労に頭が下がりました。

 まず、全員に対して一斉にメールをし、期限日までに懇親会出欠の確認を返信してほしい旨を通知します。一定の人数は期限日までに返信がなく、個別に電話で連絡をするそうです。その際のやり取りや連絡の管理にはエクセルを使うのですが、すぐにつながる内定者もいれば、なかなか電話に出てくれない学生もいます。さらに折り返し連絡のない学生も多いようです。採用担当者は「辞退するつもりで電話に出ないのか?」などと不安になります。

 ようやくつながったと思ったら、まずメール自体を見ていない。さらに留守電を設定せず折り返しの電話をしなかった理由は「何かあればまたかかってくると思ったから」。このやり取りだけで、相当な時間の浪費と不安による精神的ダメージがあるとのことでした。

 当社で内定者世代へ調査を実施したところ、メールの未読件数の平均は576件。約4割が過去に重要なメールを見逃したことがある(※)とのことで、もはやメールでの重要な連絡は見てもらえないリスクが多分にあります。
※EDGE株式会社 プレスリリースより引用
(https://edge-inc.co.jp/news/news_170620.html)

 もちろん、社会人になれば電話やメール対応をしなければなりませんので、リテラシー教育は必要ですが、内定者への連絡業務で毎回このような事態になることは避けた方が賢明です。

 実際にこの企業は、翌年から内定者サイトを導入し連絡業務を効率化することができました。内定者への個別連絡も、内定辞退予備群発見機能を活用し、入社意欲が下がっている可能性が高い内定者に限定したことで、既存業務への投下時間を大幅に削減しています。

 効率化によってできた時間で懇親会のコンテンツのブラッシュアップを実施。企業理解を促すようなワーク、課題を内定者に課し、先輩社員のインタビューを掲載したり、社内報を配信したりすることで、内定辞退率を大幅に改善しています。何より、入社後のギャップを改善したことで1年以内の離職をゼロにすることに成功しました。

 新卒採用においては、採用競合各社が同様の手法を使い、効率化、可視化を進めています。ITの力を取り入れ、人が対応しなければならない業務に人の力を結集することで、日々競合企業と戦う現場の手本となるような成果をぜひ挙げていただきたいと思います。

佐原 資寛(さはら もとひろ) EDGE株式会社 代表取締役社長 チーフエヴァンジェリスト
佐原 資寛

2008年横浜国立大学工学部在学中より、社内SNS「エアリー」事業へ参画し、エアリーダイバーシティの立ち上げに従事。その後、パートナー担当マネージャーを経て2014年より事業部長を務める。国内最大のテーマパークをはじめ、社内SNSを活用した従業員満足度向上をコンサルティング。新卒採用、新人育成、研修フォロー、従業員満足度向上、離職率低減、女性活躍推進など、各人事課題に対するソリューションとしての社内SNSの支援実績は累計100社を超える。2017年4月よりEDGE株式会社にて代表取締役社長を務める。

●EDGE株式会社 オフィシャルサイト
http://www.edge-inc.co.jp/
●女性活躍推進のためのSNS「エアリーダイバーシティ」
https://diversity.airy.net/
●従業員満足度が劇的に向上する社内SNS「エアリー」
https://airy.net/
●内定者フォロー・新入社員研修SNS「エアリーフレッシャーズ」
https://fresher.jp/

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。