異動は2つ先の所属をイメージする

吉田:これから10年先を見据えて、具体的にどのように進めていかれるのですか?

米川:入社3年もそうなんですが、20代のうちに全社員がバランス良く仕事を経験できるわけでもないので、例えば、今あの支店にいる彼ならば、たぶんこういう全社目線で仕事ができるはずだ、と。だから彼には、最初の支店の後、普通ならもう1カ所支店を経験するところを早めに本社に引き上げて、まず経理で会社全体のお金の動きを学ばせよう。その後、経理を3年で卒業したら、国際部門に移して、輸出入の仕事を経験させよう、というように、個々の持ち味や適性を見極め、次の場所と、その次の場所くらいをイメージして異動させる。

本来、どこの会社もそうやっているのかもしれませんが、少なくとも当社は、年齢構成がすごくいびつで、今までは計画的な異動・配置ができなかった。正直なところ、人が足りないから補充する、みたいなところがありました。今後は、今まで出向させたことがないような金融機関だったりシンクタンクだったり、海外留学、そういう経験を、候補者が何人か出てきていますので実現していきたいと思います。

吉田:確かに若いうちに全く違う仕事の経験をするのは、とても大事ですよね。同じ業界で同じ状況で、自社内のローテーションもあるんですけど、各社で同じ仕事のなかでぐるぐる回っている感じじゃないですか。時には他流試合じゃないですけど、若武者修行じゃないですけど、これまで経験のないところに1回出してみる。そういうことを検討する会社も増えていますね。

米川:我々の業界には、日本エネルギー経済研究所という世界でもトップ10に入るエネルギーに関するシンクタンクがあり、2年前に会員になっているのですが、毎年ここから研究員派遣の要請を頂いています。なかなか適任者を捻出できないのですが、さらに業務を効率化し、人員に余裕を作ることで、このような社外道場にぜひ、出向させたいですね。

このようなシンクタンクには、電力会社や都市ガス会社、石油会社、自動車メーカーなど、エネルギーに関連する一流企業からエース社員が出向しており、みな2年くらいで帰るのですが、そこで培った人脈、交流は40歳になっても50歳になってもずっと続くようです。そういう無形財産を作るためにも、ぜひやりたいところですね。

吉田:グローバル人材の育成についてはいかがですか?

米川:国内事業部門の社員を年2回、海外で研修させています。期間は2カ月間、アブダビ6週間とシンガポール2週間のイメージです。この1月からも、これまで技術、物流を経験してきた入社6年目の若手社員が3月まで受講しています。

吉田:それはトレーニーのような感じですか?

米川:研修ですね。国内の人間が海外に行って、すぐに実務やトレーニーができるわけではないので、国際部門ってこんな仕事をしているんだということを、現地で体験してもらうということですね。そのなかから、素養のありそうな人や強い希望を持っている人を国際部門に持っていく感じですね。

吉田:圧倒的に人材が今、海外に足りていないですからね。