人事ワーキングで新しい領域に挑戦!

米川:これまでは、「若手育成」を1つの大きなテーマとしてやってきましたが、これからは、少し別な視点で新しい人材育成の領域に力を入れていこうと考えているところです。

昨年12月に、役員と部長で構成される人事ワーキングを立ち上げました。背景には、エネルギー価格の下落を中心とした事業環境の大きな変化があり、海外・国内ともに従来の収益の柱が揺らいでいるなか、新たな成長戦略を描く必要に迫られていることが挙げられます。また新たな成長戦略にはリスクが伴うので、リスクを適切にコントロールできる専門性の高いコーポレート人材が必要となります。

しかしながら、そのような人材が社内に豊富にいるわけもなく、今後の事業展開に必要な人材開発あるいは人材育成に取り組んでいかなければならないと考えています。そういう問題意識から、今求められる人材像を明確にして、そのために何をやったらいいのかを考えていこうと。人事を取り巻く課題というのは、各階層にたくさんありますが、とりあえずやろうということで始めています。

あとは、本来の人事部で4月以降やっていこうと思っているのですが、求められる人材像を明確にして、経営者目線を養えるような役職者のローテーションも考えようとしています。早いうちに全社を俯瞰できる部門や関係会社の社長を経験させるとか、そういうイメージですね。それから、専門職の育成。専門職というのが、このホワイトカラーの会社でどこまで必要かというのはあるのですが、法律の専門家や財務、国際取引の専門家のイメージですね。

新人教育は、なんだかんだ言って、入社後の3年間が大切だと考えています。最初に出会う上司や先輩がどう指導するかで社会人人生が決まるような、その新人の配属というのをどう考えるのか、誰の下につけるのかということですね。あと、採用にはこの3年間力を入れてきましたが、「ここまででよい」という限界がないので、一層の強化をしたいと思っています。

ワーキングのメンバーは、経営企画、国際、販売、新規事業の各事業部門の部長たちで、人事は私だけです。4月の定期異動で新しい顔ぶれになるので、新体制下で新たにメンバーを募り、人事小委員会あるいはワーキングという機動力を重視したチーム編成で4月以降もやっていこうと話しているところです。例えば、社員育成に関する基本的な考え方、役職者、専門職社員、新人、採用などのそれぞれの役割期待はこうだ、それに対しては基本的にこう考える、とかいうことをそれぞれの階層で考えていく。弊社の場合は、総合職220人のうち半分が役職者なので、それで社員6〜7割はカバーできると思います。

吉田:比率的には役職者が多いですね。

米川:役職者に関しては、役割期待、基本的な考え方、今後あるべき姿、今の問題点、こう改善していきたい、社内外どんな研修をしていくかなどをまとめています。これに関するワークシートをいくつか作っていて、経営陣と人事部とコーポレートの人事以外の部署と各事業部門で、それぞれ役職者育成や部下の指導・評価、異動配置に関して、何を各事業部門で手分けしてやっていくかという課題の取りまとめを、各役員や本部長にお願いしているところです。

確かにそういった意味では、旧来通りMBO(目標管理)を中心とする育成評価システムのみではなく、結局、発端は従来の儲け方だけでは立ちいかなくなってきて、成長戦略とかコーポレートの機能とか、それを実行できる人材を各階層でどう育てるかということを、どちらかというと事業部目線で検討をスタートさせて、考え直しているということですね。

吉田:組織の変更はもうお済みですか? コーポレート部門ができて、総務人事部が総務部と人事部に機能分化する予定でしたね。

米川:4月1日から新組織です。

吉田:それによって、コーポレート機能の強化と各部門の役割がより明確化されますね。そういう動きのなかで、組織もあるべき方向に見直されているのではないかとお見受けしています。

米川:やはり国内需要が伸びないと、じゃあどうやって大きくなるかと。M&Aだ、買収だとなると、法律の専門知識が必要なので、それで公募でそういった専門人材を採用しようという動きになり、一連の流れにつながっています。

吉田:M&Aは海外も視野に入れていらっしゃるんですか?

米川:海外もそうですね。大型案件は自分たちの力だけではまだできないので、向こうの企業と事業提携をする。あるいは共同出資ですとか。国内の場合は、お互いに国内の需要減退で悩んでいる同業者との、規模はいろいろありますけど、いわゆるM&A、買収するケースもあれば、統合とか業務提携ですね。