②人事評価を通じた動機づけやコーチングで部下の自律性を引き出す

 日々の仕事の中で目標の進捗状況の確認を行うためには、部下とのコミュニケーションの頻度を増やす必要が出てきます。加えて、人事評価の実施プロセスにおける評価面談やフィードバック面談などを有効活用することは、上司・部下間の双方向のやり取りを通じて、部下に対する効果的な動機づけやコーチングを実践できる重要な場面となります。

 この部下に対する動機づけを行い部下のモチベーションを喚起したり、適時・適切なコーチングを実施したりするには、上司としてのリーダーシップが問われることになります。部下が掲げた目標の意味合いを理解させ、目標に対する方向づけをサポートすることを通じて、上司としてのリーターシップが磨かれていくのです。

 このようなプロセスを経ることで、人事評価を適正に行い有効に活用することが、部下の自律性を引き出す絶好の機会となることを学ぶ場が、評価者研修なのです。

③人事評価の究極の目的は人材育成を通じた組織力の向上にある

 人事評価が適正に運用されれば、個人の成果や能力発揮に関する差が明らかになってきます。しかし、その結果を単純に報酬や処遇の差に反映させることが最終的な人事評価の目的ではありません。

 それ以上に重要なことは、評価を受ける部下本人に対して、成果貢献度や能力発揮度を認識させることで、仕事のやり方の改善や能力開発の方向性を示して人材育成を行うことであり、人材育成を通じて組織力を向上させることが人事評価の最終的な目的であることに気づかせるのも、評価者研修の役割なのです。

 最近は、この点を研修の中で特に強調してほしいと要望してくる企業経営者や人事担当者が増えていることは、1つの大きな特徴といえるでしょう。