人事評価の本来的な目的

 それでは、基本に立ち戻って、人事評価の目的とは何でしょうか?

 一般的に、人事評価の結果は、社員の処遇に反映されます。人事制度が想定している処遇には、3つの種類があります。それは、昇給、昇格、賞与です。つまり、人事評価の結果は、主として月例給与の基本給の昇給に関するもの。社員の昇格とそれに関連した配置・異動に関するもの。年に2回が一般的ですが、賞与の支払いに関するものとなります。

 基本給や賞与の決定に関する部分は、主として報酬への反映に関連し、昇格やそれに伴う配置・異動に関する部分については、人材活用に関連します。

 しかし、人事評価の本来的な目的とは、これら処遇の決定もさることながら、図表2に示すように、人材育成に活用することだという主張が、近年なされるようになりました。

 人事評価の目的は、短期的なものと、中長期的なものに分けて考えることもできます。短期的なものであれば、短期業績の反映という意味での賞与への反映となり、年度単位でのものであれば、昇給への反映となります。しかし、中長期的な意味合いでは、人材育成が最も重要であると認識しはじめた企業の人事担当者が増えています。

 過去の行き過ぎた成果主義への素直な反省といった意味合いも、もちろんあるでしょう。短期的な視点ではなく、中長期的な視点を重視するその背景には、企業の成長とは、つまりは、人材の成長に裏打ちされたものでなければならない、との企業経営者や人事担当者の思いが強く感じられるようになりました。