社員のパフォーマンスが高まる

 これも評価制度との関連性が強いと思われますが、自分があげるべき成果や貢献すべき目標が明らかにされれば、社員のパフォーマンス(成果・業績)が高まるということです。

 期初における目標設定。期中における振り返り。そして、期末における正しい評価の実践。これらが、評価制度の運用の中で定められたルールに基づいて適正に機能してくると、社員一人ひとりのパフォーマンスへの貢献が期待できます。

 また、定期的な目標設定の際に、評価を受ける社員は、自己の目標設定の内容やレベル、目標を達成するための方法や手段を、自分なりに試行錯誤して考えながら、パフォーマンスの上げ方を学習することになります。どんな目標の場合にはどんな達成手段が有効なのか、さまざまな目標設定のケースを通じて学ぶ機会が増えてくるということです。

 立てた目標が未達成の場合には、成果評価の結果も思わしくないものになります。ある意味で、この適度な緊張関係の中で日々の業務を行っていくことが、コンスタントにパフォーマンスを上げられる社員を育成していくことになるのです。

 この場合には、もちろん評価者である上司の存在が重要です。サポーターとしての上司の役割が問われることになってきます。もし仮に、目標の進捗が思わしくない部下がいれば、その部下の足元の状況がどうなっているのかを確認し、上司として何かしらの支援が必要であれば、適宜、支援の内容を提案します。目標達成への道筋を示し、部下のモチベーションを高め、目標達成へのサポーター役を演じることが上司の仕事となってきます。

人材育成・キャリア形成が促進される

 人事制度の検討には、その会社で働く社員の将来展望をある程度描くことが求められてきます。つまり、仮に新卒で入社すれば、その後、どのような経験を積んで昇格・昇進を果たし、その社員は5年後、10年後にどのような姿になっているか。それは、確約されるものではないものの、一定のモデル・キャリアなどの検討が求められてくるのです。

 これは、例えば社員の処遇のベースを決める等級制度の設計の際に、昇格・昇進の要件の検討などに具体的に表れてきます。つまり、1等級に在籍している年数が標準的に何年であれば、次の2等級への昇格の要件に達するとか、評価結果の過去実績や公的資格の取得状況など、その際にクリアしておくべき条件は何か、といった内容の整理が必要とされるということです。

 将来的には、管理職などのマネジメントの領域で会社に貢献するのか、ある特定の業務領域を極めてプロフェッショナルやスペシャリストなどの立場で貢献するのか。いくつかのキャリアルートやキャリアパスを用意することは、「複線型人事制度」の領域で検討される重要事項となってきます。

 このように、社内における処遇条件を整備することは、社員の人材育成やキャリア形成を促す促進剤となるでしょう。