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3. 大学医師・産業医からの質問

今日のシンポジウムを聞いてわかったのは、ストレスチェックを実施して高ストレスとわかっても、サブクリニカルな人にどう対応するかがわからない、あるいはエビデンスがない。中でも人間関係を中心とする職場の環境の改善は意味があるかもしれないが、エビデンスがないということだ。改善したかどうかのマーカーもなさそうな感じだ。

また、ストレスの原因である仕事の量や質を変えることは意味があるかもしれないが、それもエビデンスがないという話だった。では、なぜこのストレスチェックを始めたのか。何かをやらなければいけないとすると、個人環境をどうするかだ。気づきを高めることがチェックの項目の一つだったと思うが、チェックして自分が崖っぷちに立っていることがわかった瞬間から不安が生じるかもしれない。そうなるとストレスコーピングの技術を個人個人で高めるような取り組みを、精神科医、産業医、あるいは職場として始めたいと思うが、具体的に良いモデルはあるか。

○野村先生
私たちは、心理療法のトレーニングを受けている臨床心理士や精神福祉士と共に取り組んでいるが、彼らはストレスコーピングのメソッドを持っている。その点で頼りにしているが、私たちがたまたま良い人たちに恵まれただけで、質は一定ではないという話も聞く。

○西松先生の回答
臨床心理士は国家資格になったので、一定の質が今後担保されていくことを私たち隣接領域では望んでいる。

○宮本先生の回答
職場ではストレスチェックの始まる前から、4つのケアの一番上にあるメンタルヘルス全般に対する教育研修を行うことになっている。そもそもこのストレスチェックを何のためにやるのか、ストレスに気付いたらどうするのか、相談はどこに行くのかといった教育をしないとうまく動かない。ストレスチェックをやりっ放しにすることは一番良くないので、導入前後に教育を入れた方がいい。そこでは精神科医のアドバイスをいただくことは成立すると思っている。

また、個別には毎年やってもわからないことはあるが、集団分析を毎年追いかけていき、何かアクションを起こすと変わることは体感している。残念なことに今までの改善例で一番効果が高いのは、上司が替わったということで、結局人の要因が大きい。

4. 産業医からの質問

先日、会社の衛生委員会で、ストレスチェックはまた来年も同じことを聞くのかと質問された。宮本先生が先ほど言われたように、積み重ねていくと良いこともあると思うが、来年も同じチェック項目だとすると、もし自分がうつ病だったら、昨年のチェックをコピーして同じように答えておいてと息子に頼むだろう。来年もまた同じ質問で続けていくのか。それとも先生方が良い質問を考えてくれ、変わっていくのか。

○中村先生
ストレスチェックの項目は標準として示されたものだ。毎年同じ質問をしたとしても、練習効果があるものではない。心身の反応と支援の問題、仕事の量と質が入っていれば良いので、簡素な方法も可能であり、基本的には繰り返しても問題はない。

山田和夫氏
山田和夫氏

■山田先生のまとめ
ストレスチェックは基本的には一次予防、働いている人たちの精神的な健康管理のためにあるものだ。今後、働く人にとっても会社にとっても本当に有効に活用されることを願っている。このストレスチェックには様々な課題があると思うので、来年以降もこうした会を実施していきたい。