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2015年12月、ストレスチェック義務化を目前にストレスチェック策定者の産業医科大学名誉教授・中村純氏が「ヒューマンキャピタル2015」で講演 (2/2)

2015.09.01   取材:21世紀医療フォーラム取材班 安井透 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也

ストレスチェックの目的を共有し
円滑に進められる仕組みづくりを

中村氏はストレスチェックを導入する本来の目的として、次の3つを挙げた。

1. 個人のストレス要因やストレス反応を評価する
2. 職場ごとのストレスや職場の強みや弱みといった資源を把握する
3. 問題を抱えた部署があれば、早期発見と情報収集して改善していく

これらを推進していくためには、「精神医療に精通した産業医の確保、労働者、特に高ストレスの労働者が産業医の面接を受けやすい体制づくり、個人情報の保護が求められる」と述べた。加えて、残業制限や配置転換で給料が減るなどの新たな問題も生まれてくる可能性も指摘し、この対策として、「職場環境を改善した良い事例を共有化し、産業医と精神科医の連携を進めるなど、ストレスチェックを円滑に実施できる仕組みづくりを考えると共に、国には十分な支援体制を望む」と結んだ。

■関連情報

○こころの耳「改正労働安全衛生法のポイント(ストレスチェック制度関連)」 厚生労働省
http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou.html

○自殺やうつによる経済的損失
国立社会保障・人口問題研究所の調査では、自殺やうつ病がなくなった場合の経済的便益(自殺やうつによる社会的損失)の推計額は、2009年の単年度で約2.7兆円となっている。
その内訳は、次の通りである。
①自殺死亡がゼロになることによる稼働所得の増加が1兆9028億円
②うつ病による自殺と休業がなくなることによる労災補償給付費(労災年金を含む)の減少が456億円
③うつ病による休業がなくなることによる賃金所得の増加が1094億円
④うつ病がきっかけで失業がなくなることによる求職者給付の減少が187億円
⑤うつ病がきっかけで生活保護がなくなることによる給付の減少が3046億円
⑥うつ病がなくなることによる医療費の減少が2971億円
尚、うつ病がなくなった場合にはGDPを1兆7000億円引き上げる(2010年ベース)効果がある。

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